地域経済活性化支援機構が、中山製鋼所(東証1部上場)の再生支援を決定したという記事。
「再建計画では、8月に三菱東京UFJ銀行など約40の取引銀行から約602億円の債権放棄を受ける。新日鉄住金、日鉄商事、大和PIパートナーズのほか、関西地盤の阪和興業、エア・ウォーター、大阪ガスが合計で約90億円の第三者割当増資を引き受ける。
筆頭株主の新日鉄住金の議決権比率は19.8%に上昇するが、持ち分法適用などにはならず、中山製鋼所は独立経営を維持する。既存株主の責任を明確にするため、2015年3月期上期をめどに減資も実施。グループ5社を株式交換により完全子会社化し、グループ一体での再生を目指す。」
会社は、530億円の減損損失発生などを公表しています。
「中山製鋼所は同日、未定としていた13年3月期の連結最終損益が570億円の赤字(前期は116億円の赤字)になる見込みだと発表した。市況低迷で販売が振るわず、減損損失などを計上するため債務超過となる。」
減損損失計上のタイミングが問われることになるかもしれません。会社のプレスリリースによると、「本事業再生計画に基づき、今後の当社の業績動向などを慎重に検討した結果」だそうです。
債務免除などの支援が決まるまで、損失計上を先送りというのは、ひと昔前までは、よくあるパターンでした。この会社の場合は、平成22年3月期にある程度まとまった特別損失を計上しているので、まったくやっていなかったわけではないようです。
ゴーイングコンサーンの注記はすでについています。
平成25年3月期 業績予想の修正及び特別損失の発生に関するお知らせ(中山製鋼所)(PDF)
地域経済活性化支援機構による中山製鋼所への再生支援決定のお知らせ(同上)(PDF)
株式交換に係る臨時報告書(同上)(PDF)
交換比率の算定はフロンティア・マネジメントという会社に依頼したそうです。
「フロンティア・マネジメントは、当社についてDCF法及び類似会社比較法による算定、連結子会社らについても同様にDCF法及び類似会社比較法による算定を行いました。なお、DCF法による算定の基礎として、当社がフロンティア・マネジメントに提供した当社の将来の利益計画は黒字化を見込んだ本事業再生計画を前提にしており、大幅な増益を見込んでおります。」
自社の評価を甘くすれば、子会社側の株主に割り当てられる株数は減るので、増資額の水増しにはならないのかもしれません。
地域経済活性化支援機構による再生支援決定に係る臨時報告書(同上)(PDF)
株式会社地域経済活性化支援機構のプレスリリース
↓
株式会社中山製鋼所に対する再生支援決定について(PDFファイル)
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