会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

中小企業が泣き寝入りするしかない「M&A仲介業者」の「塩対応」が招いた悲劇(現代ビジネスより)

中小企業が泣き寝入りするしかない「M&A仲介業者」の「塩対応」が招いた悲劇

中小企業がろくでもない売り手やM&A仲介会社にひっかかって、ひどい目に遭ったという例を紹介した記事。

ひとつめは、買収先の会社が直前に押し込み販売をやって利益を水増しをしていたらしいという例。

粉飾決算といえるかどうかは微妙なようですが...

「X社はM&A仲介会社に適当な買収先がないか打診しました。そこで紹介されたのがY社で、「独自の技術もあり収益も安定的に伸びている」というのが仲介会社の売り文句でした。

業績から見ても10億という金額は妥当と判断、買収は成立しました。

ところが、買収後、異変が起きます。売り上げが過去に比べて落ちているのです。原因を調べたところ、メインで取引していたZ社からの注文が全く入っていないことが判明します。

Z社に問い合わせたところ、倉庫に在庫されているY社の商品が通常の2倍以上になっており、新たな注文をする必要がないとの回答を得ました。なぜ2倍も仕入れたのか問い合わせましたが、それまでY社担当だった社員が突然退社してしまったため、経緯がわからない、の一点張りで、まったく埒が明きません。

おそらくY社の経営者は、企業を売却しようと決めた時から、Z社に対して、「決算なのだが目標数字に届かなくて困っている。後で買い戻すから、まとめて商品を仕入れてくれないか?」という口約束をしたうえで売上を計上していたことが推測されます。

Y社はZ社に対する大量の取引で業績を増やしたことで、自社の企業価値を1億円以上もかさ上げすることに成功していたと考えられるのです。」

「実際、その後の調査の結果、退社したZ社の担当は、Y社の前オーナーととても親しく、Z社を退職する直前に1000万円以上のリベートと、新たな転職先まで紹介されていたらしいということがわかりました。しかし、物理的な証拠は何もないストーリーで、どうしようもありません。」

買い戻しの約束が本当にあった場合には、売上過大計上の可能性がありますが、状況証拠に基づく、筆者の推測にすぎないようです。

もう一つは、詳細は省略しますが、売り手側が早期の売却を望んでいたにもかかわらず、M&A仲介会社が自分の都合で放置し、結局廃業することになったという事例です。

仲介業者については...

「こうした悪徳仲介業者の頭の中にあるのは、相手の無知に付け込んで契約で縛り、自分たちの利益をいかに拡大するか。それだけで、クライアントの希望や事業、社員の将来のためにという感情はほとんどゼロでしょう。

しかも、そうした人ほど口が上手く、いかにも「あなたのために動いています」と言う素振りに長けている。そうした担当者に出会ってしまうと、不幸でしかありません。」

「事業承継やM&Aが活発になったり、個人や法人が新しい道を見出したりすることは経済の発展にもつながります。ただ、現状では盛り上がれば盛り上がるほど、儲かるのは結局仲介会社だけ、という事態になっていると言える部分があります。」
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