日興コーディアルグループの決算訂正を巡り、みすず監査法人(旧中央青山)が訂正報告書の監査を引き受けるかどうかためらっているという記事。ちなみに、日興の監査人は今期からあらたに交代しています。
もしかするとどこかに規定されているのかもしれませんが、監査人が交代した場合、交代前の年度の財務諸表の遡及修正をだれが監査するのかは、きちんと決まっていないように思われます。
前任監査人は、監査契約が切れたと考えて、同時提供禁止業務などを新年度で請け負っているかもしれません。また、要修正事項を見逃していたということで損害賠償請求を会社から受けるかもしれず、そのような場合は独立した客観的な立場から意見を表明することができないので、監査を引き受けることはできません。
特に日興コーディアルの場合は、担当していたチームがチームごとあらたに移っているようです。不正な事項が会社の調査などによりすべて明らかになっているのかなど、いったん、会社から離れてしまった前任監査人にとっては、確信を持って監査報告書にサインできるだけの手続を行うのはなかなかむずかしい面もあります。
市場への影響が大きいケースなので、みすず、あらたとも相当の人員をかけてでも対応すると思いますが、監査の結論が出るまでに時間がかかることも考えられます。
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