かつてマドフ事件を告発したハリー・マルコポロスという人物が、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が不正会計を行っていると告発し、GEの株価が下がったという記事。
「ハリー・マルコポロス氏は、GEは保険部門の負債を過小報告しており、石油・ガスサービス企業ベーカー・ヒューズへの投資を正しく会計処理していないと主張している。同氏はかつて、バーニー・マドフ受刑囚による巨額ねずみ講が発覚する前から、同受刑囚の投資会社運営に問題があると指摘していたことで知られる。
マルコポロス氏は15日発表したリポートで、GE保険部門は直ちに準備金を現金で185億ドル(約1兆9600億円)積み増す必要があると指摘し、新たな会計ルールが導入された際には1050億ドル相当の非現金費用を計上する必要があると主張した。」
ヘッジファンドと関係しているそうです。
「これより先にGEの財務問題を報じた米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、マルコポロス氏はあるヘッジファンドとビジネスを手掛けており、GE株が下落することで利益を得られる。同氏はファンド名については明らかにしていない。」
記事原文。
GE Plunges Most in 11 Years as Madoff Accuser Slams Accounting(ブルームバーグ)
マルコポロス氏のコメント。
“These impending losses will destroy GE’s balance sheet, debt ratios and likely also violate debt covenants,” Markopolos said in a report Thursday. “GE’s cash situation is far worse than disclosed in their 2018” annual report to regulators.
別のアナリストのコメント。これまでの実績からして、GEの反論も信用できないといっています。
“The short report accurately depicts a GE culture that historically hid losses and deceived investors,” Scott Davis, an analyst at Melius Research, said in a note to clients. “GE has no credibility at all in responding to the report today as inaccurate. The truth is GE is using a set of assumptions, the short report uses another. We don’t know where the truth lies.”
GEのCEOは、沈静化を狙ってか、自社株を追加取得したそうです。
Following the close, GE climbed 3% in late trading after the company said Culp had purchased about $2 million in shares amid the rout. He bought $3 million earlier this week in the wake of a steady decline since GE reported earnings at the end of July.
マルコポロス氏のレポート。
↓
GENERAL ELECTRIC, A BIGGER FRAUD THAN ENRON(PDFファイル)
マドフ事件告発者、GEの財務に疑問「重大な問題隠ぺい」(DOL)(WSJ配信)(記事冒頭のみ)
General Electric: Madoff investigator alleges $38bn fraud(BBC)
米GEに巨額不正会計疑い 会計専門家告発、GEは否定(朝日)
「会計専門家ハリー・マーコポロス氏は、GEをめぐる170ページ超の報告書を公表。GE傘下の介護保険事業の準備金が不足しているなど複数の疑惑を指摘し、資金繰りにも問題があると主張した。米テレビでは、GEが経営破綻(はたん)に向かっている可能性があるなどと語った。マーコポロス氏はかつて、当局に先駆けて巨額詐欺「マドフ事件」を告発したことで知られる。」
#09 マドフ事件の真相 ──ハリー・マーコポロス氏の公聴会発言と手記から紐解く──(ACFE)
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