小渕優子元経済産業相の元秘書らが、政治資金規正法違反(政治資金収支報告書の虚偽記入)の刑事裁判で、有罪判決を受けたという記事。
「判決によると、小渕氏の関連政治団体の事務を統括していた折田被告は加辺被告と共謀。2009~13年に小渕氏が代表を務める「未来産業研究会」(東京都)や政治団体「小渕優子後援会」(群馬県)の収支報告書に架空の寄付金の支出や収入を計上したり、観劇会の収入を過少に計上したりした。虚偽記入や不記載の合計額は計約3億2千万円に上った。
園原裁判長は動機について「収支報告書上の繰越預金残高と実際の預金残高との多額の乖離(かいり)を解消する目的だった」とし、「政治活動の公明と公正を確保する法の目的に合わないことはあきらか」と断じた。」
小渕衆院議員:政治資金問題 元秘書らに有罪判決 「裏金捻出も目的」 資金収支のずれ、未解明 /群馬(毎日)
「9月の初公判で検察側は、関連政治団体で慶弔費や陣中見舞いを簿外処理した結果、実際の残高と収支報告書との間に巨額のずれが生じ、それを隠すために不正な資金操作が常態化していた、と説明した。冒頭陳述などによると、未来研では2006年末までに、実際の預貯金の残高が収支報告書上の残高より約1億円も少なくなっていたという。
折田氏は被告人質問で「冠婚葬祭や接待費用など、収支報告書に載せづらい支出が積もった」と述べた。ずれを解消させるために「つじつま合わせ」を始めたのは、07年に他の国会議員の不適切な事務所費問題が発覚したことが発端で、「1人で考えて実行した」と話した。」
意図的に重大な不正をやろうとしていたわけではなく、もともと経理がずさんだったことのつじつま合わせをやってしまったということで決着したようです。しかし、あえて経理をずさんにしておいて、あやしいカネの流れをあとから追跡できないようにしていた可能性も高そうです。
「裁判長は観劇会に関する虚偽記載について「裏金捻出も目的としていたと認められる」と指摘した。しかし「帳尻合わせ」が必要となった金の使途が解明されたわけではない。また、観劇会の収入のみならず支出まで過少記載した理由も不明のまま。小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」と自民党支部、後援会との間の出し入れも含め、過去にさかのぼって金の流れを明らかにしない限り、折田氏が初公判で述べた「裏金作りはしていない」との説明は信用する証拠がない状態だ。
現行の政治資金規正法は、実効力の伴わない「ザル法」と指摘されて久しい。今回の事件では、収支報告書の監査を身内の税理士や公認会計士が務めることによるチェックの甘さも露呈した。小渕氏は、第三者委員会に調査を委ね、自ら説明する場を設けると約束した。資金の流れの実態解明と、信頼して票を投じた有権者への説明はこれからだ。」
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