「ユニコーン乱立」時代の「見えない」資本論
『無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体』という書籍の紹介記事。
「ユニコーンとは評価価値が巨大な新興企業を示す言葉だが、なぜ赤字ベンチャーに巨額の値がつくのか。これはきちんと解明されていない現代の不思議の1つで、経済的な難問だ。...
その不思議の解明の、重要な基礎的部分(の一部)を説明するかもしれない著書が登場した。『無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体』である。気鋭の若手研究者2人が丁寧にその謎に迫っている。」
無形資産が主役になっているからという説明自体は、新しいものではありませんが...
「経営学では、とくに会計やファイナンスの分野になるが、実物資産以外を扱うのが苦手ではある(とくに著者たちは土地台帳を作っていた時代とあまり変わりないと冒頭で大胆に示唆している)。
現代の経済学や経営学では容易に捉えられないが、現在の経済の重要性の大半を占める「無形の資本」を本書では「ダークマター」(ダークマターは宇宙を密に満たす物質だが、計算上は存在を確認できるが実体がよくわかっていない)と表現しているが、なかなか的確な比喩ではないかと思う。」
「マイクロソフトの帳簿を精査したチャールズ・ハルテンは、同社の価値を高めているものは「競争力を獲得・維持するための製品プラットフォームの構築またはその強化のための投資(で形成された資産)だ」と結論づけている。
それらは当然ながら物理的な形態を持たない。つまり、ソフトウェアももちろん無形資産ではあるけれど、無形資産は利益に貢献するもっと幅広いものである、ということなのだ。
そこからわかることは、スポーツジムや小売店といった有形資産が大きなウェートを占める業界であっても、いまや無形資産の影響はかなり大きいということだ。」
それでは、無形資産へ投資さえすればうまくいくのかというと...
「著者たちが指摘しているのは、有形資産に比べて無形資産への投資が大きな「オプション価値」(≒選択肢と新たな価値の複合体)を作るものの、「不確実性」(見通しにくさ)にあふれていて、「紛争性」(線引きの難しさ)を内包している、ということだ。
価値の大半を決める無形資産の形成のために投資をすることの重要性は今や自明だとしても、何が正解となるかの判断はかなり難しい、ということを示している。」
無形資産の4sというのがあるそうです。
「著者の分析によれば、無形資産には有形資産にない特徴があるという。「スケーラビリティ」「サンク性」「スピルオーバー」「シナジー」で、これを「無形資産の4S」と名付けている。」
近所の本屋にはなかったので、まだ手に取っていませんが...
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