金融庁が保険商品の手数料の透明化を行おうとしているという記事。「フィデューシャリー・デューティー」がキーワードのようです。
「対象になった運用結果や為替相場で受け取る額が変わる変額年金保険や外貨建て保険などの貯蓄性の高い保険商品は、銀行の窓口で売れ筋だ。保険会社が販売を委託するにあたり銀行に支払う手数料は顧客の支払う保険料に含まれているが、その金額は開示されていない。このため、手数料が10%程度と過度に高い商品もあるという。一方、同じく銀行窓口で売られる投資信託は手数料が2~3%なのが一般的で、手数料の開示もされている。」
「金融庁は今年に入り、生命保険業界に手数料を開示するよう求め、銀行業界も含めて調整してきた。そして、5月20日には手数料開示に関する監督指針改正案を公表して、10月から開示を実施する予定だった。しかし、事態が一変したのは監督指針改正案公表の2日前のことだ。金融庁が突然、銀行業界や保険業界に指針改正を凍結する旨を通告したのだ。」
「金融庁が手数料開示を一旦取り下げたのは、森長官が手数料の透明化を徹底的に行う腹を決めたとの向きが強い。それを裏付けるように、首相の諮問機関である金融審議会の「市場ワーキング・グループ」では7月初めからフィデューシャリー・デューティーの議論を行う予定で、その中で手数料開示についても取り沙汰される見込みだ。自主的にできないのであれば、金融審で根本から議論をしようという狙いが垣間見える。」
金融審議会市場ワーキング・グループ(金融庁)
「保険ショップ」も金融庁のターゲットになっているそうです。
↓
気をつけろ!「保険ショップ」にダマされる中高年が急増中(現代ビジネス)
「...保険ショップは販売時点で手数料を受け取る。これは「初年度手数料」と言われるが、実は保険ショップが受け取る保険料にはそれ以外にも、「継続手数料」なるものがある。
顧客が保険契約している間は10%などの手数料を継続して受け取れるもので、「売る側にとっては顧客を大量の保険に加入させたうえ、一度入れたら解約させまいとつなぎとめるインセンティブとして働く」(元独立系保険代理店幹部)
当然、「被害者」が続出する。...」
「実は金融庁は保険ショップをめぐるこうした実態をかねてより問題視しており、今年5月末には業界を厳しく取り締まる法改正に踏み切っている。」
(補足)
以前取り上げたこちらの記事もおもしろいです。
絶対買ってはいけない!
銀行窓口で平然と売られている「ボッタクリ」金融商品(現代ビジネス)(再掲)
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