会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「地方銀行」を直撃する海外中銀の金融引き締め(東洋経済より)

「地方銀行」を直撃する海外中銀の金融引き締め

地方銀行が海外利上げの影響を受けているという記事。

「日銀によれば、2022年9月時点で全国の地銀の有価証券残高は日本国債が16.7兆円なのに対して、債券などの外国証券は13.5兆円もある。米ドルやユーロ建てで投資を行っているため、各国の利上げによって債券価格が下落し、含み損が発生しているのだ。...

含み損は売却しない限り、損失として実現しない。そのため、満期まで保有し続けて、額面価格で償還されることを待つのも手だ。だが、地銀のほとんどは外貨預金に乏しく、手元の円を担保に市場からドルなどを調達している。そのため、利上げで調達コストが膨れ上がり、債券の運用利回りを上回る「逆ザヤ」が発生。」

償却原価法で処理していれば、満期までの収益は、債券購入時に利回りが確定してしまう(購入時に低金利であれば低い利回りで確定する)のに対し、コストの方が上昇すれば、採算は悪くなります。それを回避するためには、売却して、含み損を実現するしかありません。

素人考えからすると、円を調達して、外国債券で運用すれば、円安の恩恵も得られて得のようにも思えますが、リスクが高すぎるのでしょう。

記事によれば、海外金利は高いままだそうです。

「海外金利は依然先高感が拭えず、2023年も外債の入れ替えが経営の重荷となりそうだ。本業利益の伸びや株式の含み益など、外債の損失を相殺する手段に乏しい銀行ほど苦境に立たされる。」

そのほか、「ゼロゼロ融資」の返済本格化にもふれています。

 

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