出光興産の2015年3月期が980億円の赤字になる見通しであるという記事。
「同社によると、15年3月期の営業損益は、昨年11月時点の前回予想では670億円の黒字だったが、今回の下方修正で1200億円の赤字になる見通し。石油元売り会社は、70日分の需要をまかなえる石油の備蓄を義務づけられているため、昨秋の原油価格の下落で在庫の評価損を抱えた。」
大きな備蓄を抱えている影響で、価格変動の影響が強く出るのでしょう。
資源開発関連で特別損失(減損損失)も計上しています。
「14年4~12月期の決算も公表し、資源価格の下落による豪州の石炭事業や英国やノルウェーの石油開発事業を見直した結果、267億円の減損を計上。純損益は566億円の赤字だった。」
特別損失の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ(出光興産)(PDFファイル)
石油元売り大手5社、すべて赤字転落の衝撃
原油安が直撃、巨額の在庫評価損が発生(東洋経済)
「・・・在庫評価損はあくまで一過性の損失であり、即座にキャッシュアウトするわけではない。また、1月に一時1バレル=45ドルを割ったドバイ原油相場は反発し、2月に入り足元50~55ドル前後で膠着している。出光興産の鷺島敏明執行役員は「原油相場はひとまず下落局面が収束したと見ている。とはいっても需給の引き締め要因も乏しく、来年度は50~60ドルのレンジ」と見る。原油価格の下落が落ち着けば、今期の巨額評価損の反動で来期決算では各社ともV字回復を果たす可能性が高い。」
原油相場の下落がストップすれば、一過性ということになりますが、キャッシュを実際に支払って今の相場よりも割高な価格で原油を購入し、その原油を、相場が下がってから販売した、あるいは、これから販売しなければならないという事実は、動かせません。販売した製品・商品の原価又は評価損として、PLに計上され、財務諸表に反映されるということになります。
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