企業会計基準委員会が、包括利益表示の会計基準の確定を先送りしたという記事。
3月中に公表予定だったものが、「5月下旬か6月はじめまで議論を続け、2010年度第2四半期に基準化を図る考え」だそうです。
「公開草案では、単体と連結の財務諸表に包括利益表示を適用するとしているが、日本のIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の適用は連結財務諸表が対象で「連結先行」の考えが採られている。連単に包括利益表示を適用するとその連結先行の考えと整合性が取れなくなる。3月11日の議論ではIFRS適用に関する連結先行の考えについて議論を深めて、関係者のコンセンサスを得るべきとの意見が多くあったようだ。」
連結先行の議論の決着がつかない限り、新基準の制定や大きな改正ができないとなると、企業会計基準委員会の審議がストップしてしまわないのでしょうか。
一方、単なる表示の基準だということで、少し議論を急ぎすぎたような感じもします。先送りする理由には納得できませんが、いろいろとつじつまの合わない点がある案だったので、あわてて基準化することもないでしょう。
当サイトの関連記事(公開草案について)
第197回企業会計基準委員会の概要 Webcast(学者・会計士の委員と産業界出身の委員とで意見がはっきり分かれているようです。)
第198回企業会計基準委員会の概要 Webcast
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連結先行の議論はIFRS導入と関係しています。以下比較的最近出た監査法人による入門書です(少し物足りないかもしれませんが)。
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