腐敗度が深刻で不正が生まれやすい
「ラッキンコーヒー」など、中国企業の不正の数々を取り上げた記事。
「中国企業による不正会計は今に始まったことではない。米国の証券取引所では2011年から2012年にかけて、50社以上の中国企業が不正会計などの不祥事で取引停止や上場廃止になり、その後も、毎年のように不正会計で上場廃止になる中国企業が相次いでいる。」
「中国企業の不正会計の手口は、会計規則のグレーゾーンをつくといったような生易しいものではなく、犯罪そのものの大胆なやり方である。」
会計士へのわいろの話には驚きました。未遂で終わったようですが...。
「2011年にナスダックで上場廃止になった広告会社、チャイナ・メディア・エクスプレスは、プレスリリースで恒常的に現預金や売り上げの額を4.5倍から400倍に水増しし、顧客でもない大手多国籍企業2社を顧客であると宣伝していた。問題を指摘され、香港の会計事務所に調査が委託された際、中国人CEOは会計士に1000万人民元(約1億6400万円)の賄賂を渡して見逃してもらおうとした(会計士は拒否)。同社と中国人CEOは米国で詐欺等の有罪判決を受けた。」
不正の土壌があるそうです。
「国際NGO、トランス・ペアレンシー・インターナショナルが毎年発表している「腐敗認識指数」(順位が低いほど腐敗度が高い)の2019年版では、中国は180カ国中80位という腐敗度の高い国だ(日本20位、米国23位)。政府や共産党の幹部やその親族がさまざまな利権を握り、地方幹部の不正も多く、民族的にもルールに頓着せず、生き馬の目を抜いて金を手にする人間が勝ち組とされる文化があるためだと思われる。」
「中国企業のカラ売りで知られるマディ・ウォーターズの創業者でCIO(Chief Investment Officer)のカーソン・ブロックは「中国では嘘をつかれていることが前提だ」と述べる。」
米国の証券取引所の責任にもふれています。
「米国の証券取引所(特に、新興企業向け市場のナスダック)自体も中国企業の上場に積極的に手を貸した。米国では、上場しなくてもベンチャーキャピタルから容易に資金を調達できるようになり、エンロン事件を契機に設けられたサーベンス・オクスリー法が上場企業に厳格な財務内容の開示や内部統制を求めたため、上場企業数が1996年のピーク時の8090社から半分程度に減った。
証券取引所はこれに頭を悩ませ(上場企業が減れば、取引所に入ってくる手数料が減少する)、それに代わるものとして、中国の新興企業に目を付けた。上場基準を米国企業以上にゆるやかにし、実態不明の中国企業でも目をつぶって上場させた。
その結果、今やアリババ集団を筆頭に、百度(バイドゥ)やJD.com(京東商城)など、今年10月時点で217社の中国企業が米国の取引所に上場している。中国企業の不正会計は、ある意味で米国が種をまいたものだ。」
ただし、シンガポール取引所(SGX)でも、多くの中国企業が上場廃止になっているそうです。
これで取り上げた記事と同じ筆者です。
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