会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日本精工、退職給付信託から資金返還受ける 350億円(日経より)

日本精工、退職給付信託から資金返還受ける 350億円

日本精工が、退職給付信託から多額の資金返還を受けるという記事。

「日本精工は20日、28日に退職給付信託から350億円の返還を受ける予定だと発表した。」

年金資産は、従業員の年金・退職金以外には使えないのが原則ですが、同社では、年金資産の積み立てが退職給付債務に対して大幅に超過している状況とのことで、従業員には不利益にならないということなのでしょう。

会計処理は、個別(日本基準)と連結(IFRS)とで異なるようです。

「返還に伴い、信託財産額の変動によって生じる「未認識数理計算上の差異」の一時償却で2024年3月期の単独決算で約100億円の特別利益を計上するが、連結決算では計上しない。日本精工が連結財務諸表で適用する国際会計基準では、数理計算上の差異はその他包括利益を通じて直接、貸借対照表の利益剰余金に反映されるため。」

会社のプレスリリース。

退職給付信託の一部返還に関するお知らせ(日本精工)

「返還に伴い、信託財産額の変動によって生じている未認識数理計算上の差異一部を一時償却することになるため、2024年3月期の個別決算において特別利益として約 100 億円の計上を見込んでいます。(2024年3月期の連結損益計算書への影響はありません。)

なお、退職給付信託の一部返還に係る特別利益の額は返還時点で確定するため、今後変動する可能性があります。」

日本基準における会計処理を調べてみると...

退職給付に関する会計基準の適用指針より)

「一時の費用としない理由...は失われている」というところがポイントかもしれません。

他方、IFRSでは、数理計算上の差異は、その他の包括利益に行ったきりで、損益にもどって来ることはないので、どれだけ利益あるいは損失に計上するのかということは考えなくてよいのでしょう。

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