吉本興業が、テレビ番組制作や子会社を舞台とした不正支出があったと発表したという記事。
「吉本新喜劇のテレビ番組制作で03年以前に、実際には働いていなかった制作スタッフ名義で報酬が支払われていた。さらに同社の100%子会社である吉本音楽出版で、04年以前の数年にわたって取引先に不適切な支出があり、その取引先から元会長が関係する会社に一定額の支払いがなされていた。」
架空人件費や架空経費の支払いという典型的な不正ですが、不正の規模がまったく明らかになっていないので、重大なものなのかはわかりません。しかし、経営の中枢にいた人物による不正ですから、金額の多寡にかかわらず、重視すべきでしょう。
最近では、ブックオフでも同じような経営者への不正支払疑惑がありましたが、ブックオフの場合は、上場する前、つまり公開企業になる前の不正であったのに対し、吉本興業の場合は、公開企業になった後の事件ですから、より悪質であるともいえます。
調査委員会の調査報告書及び当社の対応のご報告(PDFファイル)
調査委員会は弁護士4名で構成され、経理財務の専門家は含まれていないようです。
また、このプレスリリースでは、子会社における不正支出疑惑を調べなかった理由の1つとして、「有価証券報告書のキャッシュ・フロー表からも明らかなように不正支出はないということが明白である」ことを挙げていますが、キャッシュ・フロー計算書をみただけで不正支出の有無がわかるというのは、まさに漫才のような話です。
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