SBIホールディングスの2007年4-6月期連結決算が、ファンド連結に伴い前年同期に603億円に上る負ののれん償却を計上した反動で大幅減益となったという記事。
この会社の2007年3月期有報をみると、のれんの会計方針について以下のように書かれています(抜粋)。
「負ののれんについては、取得の実態に基づいた適切な期間で償却しております。ただし、のれん、負ののれんともに金額が僅少なものについては、発生時一括償却をしております。」
したがって、負ののれんの償却が前期だけ、しかも600億円も発生するというのは、ちょっと考えられません。会社の説明資料等をみると、投資事業組合について連結範囲の変更がなされているようですが、この負ののれんの償却費が過年度の分を一括償却したものであるとすると、損益計算書に計上するのではなく、連結範囲の変動による利益剰余金の増減として会計処理すべきだと思われます。
もっとも、連結範囲の変更による影響額についてどのように会計処理するのかという点について、会計基準には明確に規定されていません。先日公表された過年度遡及修正の論点整理でも、連結範囲の変更の場合の処理が論点の1つとして上がっているぐらいですから、別の考え方があるのかもしれません。
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