米SECが、企業のESG開示に関する規則見直しに関する意見募集を行うという記事。日経記事では「専門家などから」といっていますが、SECの声明文の表題では「Public Input Welcomed 」となっており、専門家でなくてもコメントを寄せることは可能です。
「米証券取引委員会(SEC)は15日、企業のESG(環境・社会・企業統治)対策に関する開示ルールの見直しについて専門家などから意見を募集すると発表した。企業はこれまで、2010年に設けた指針に基づいて気候変動対応を開示してきたが、時代の変化に応じて基準の改定が必要と判断した。」
「SECのアリソン・リー委員長代行が同日の講演で方針を明らかにした。「気候変動の状況は開示基準の指針を出した10年から大きく変化しており、改訂する必要がある」と話した。今後90日以内に、専門家などから情報開示のあり方について幅広く意見を募る。
具体的には①企業は投資家に向けていつどのように開示すべきか②開示すべき内容は何か③業種別ごとに異なる開示義務を設定すべきか④国際的な規制団体の既存の基準に準じるべきか、新たな基準を設けるべきか⑤未上場企業にも同様の開示基準を設定すべきかーーなど15項目を示した。」
「SECはすでに「気候・ESGタスクフォース」を内部に設置したほか、気候とESGに関する企業の審査を強化すると表明している。」
多様性や政治献金のような気候変動以外の項目の開示も見直すようです。
SEC委員長代行名での声明文。
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Public Input Welcomed on Climate Change Disclosures(SEC)
Questions for Considerationとして、論点が、15項目挙がっています。
TCFDなど既存のフレームワークを使うことの長所・短所を尋ねている箇所や、今後の開示規定の改善・更新をSECが自ら行うべきか、他の組織に委ねるべきか、委ねる場合にはその組織にどのような要件や役割が求められるかを尋ねている箇所です。
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5.What are the advantages and disadvantages of rules that incorporate or draw on existing frameworks, such as, for example, those developed by the Task Force on Climate-Related Financial Disclosures (TCFD), the Sustainability Accounting Standards Board (SASB), and the Climate Disclosure Standards Board (CDSB)?[7] Are there any specific frameworks that the Commission should consider? If so, which frameworks and why?
6.How should any disclosure requirements be updated, improved, augmented, or otherwise changed over time? Should the Commission itself carry out these tasks, or should it adopt or identify criteria for identifying other organization(s) to do so? If the latter, what organization(s) should be responsible for doing so, and what role should the Commission play in governance or funding? Should the Commission designate a climate or ESG disclosure standard setter? If so, what should the characteristics of such a standard setter be? Is there an existing climate disclosure standard setter that the Commission should consider?
バイデン政権になって、開示ルールも企業に厳しいものになっていくのでしょう。日本はそれについて行くべきなのか...。
Climate change disclosure comments sought by SEC(JofA)
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