会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

それでも消えない相談役・顧問 「開示」圧力も何のその(JCASTニュースより)

それでも消えない相談役・顧問 「開示」圧力も何のその

東京証券取引所が、上場企業に対して「相談役」「顧問」の役割を開示する制度を新設したことについて解説した記事。

背景は...

「俗にいう「成長戦略」は、2016年までは正式名「日本再興戦略」だったが、策定する会議が2016年秋、それまでの産業競争力会議に未来投資に向けた官民対話を統合した「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)に衣替えされ、まとめる文書の名称も2017年から「未来投資戦略」になった。次々に目新しいネーミングで「やってる感」を演出する安倍政権の手法の一つと言える。

今回、相談役などについて未来投資会議の議論で念頭にあったのは、歴代トップが相談役などとして経営に影響力を行使していた東芝の会計不祥事。トップ経験者が社内に残っていると、どうしても過去に縛られ、大きな方針転換、経営戦略の大胆な転換などが実行しにくいといわれる悪しき現状の打破を狙ったものだ。」

開示内容は...

「東証が新設した制度では、全上場企業が提出を義務付けられている「コーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する報告書」に相談役・顧問の記載欄を新設し、東証や企業のホームページで公開することになる。項目は氏名や業務内容に加え、常勤・非常勤といった勤務形態、報酬など幅広い。報酬については、その有無を明らかにしたうえで、総額や個人別の支給額を記述できるようにする。」

「ただ、記載するか否かは企業の判断に任される。そもそも開示対象は社長や最高経営責任者(CEO)ら経営トップの経験者に限定し、副社長や子会社トップらは対象外。また、開示しなくても罰則などはない。」

今後は、他社の社外取締役として活躍する例が増えると予測するコメントがありました。

「ある企業統治の専門家は「社長、会長の経験者が他社の社外取締役として活躍するといった例も、今後は増えるのではないか。それが結果として、相談役・顧問に代わるトップ経験者の『再就職先』の確保にもなる。また、そうした流れが強まれば、会社や業界の枠を超えて活躍する『プロ経営者』が育つ土壌になるかもしれない」と話している。」

株の持ち合いは解消しつつある方向ですが、これからは元経営者の持ち合いがはやるのでしょうか。

当サイトの関連記事(東証の「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」記載要領改訂について)
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