会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

イオンディライト、不適切会計問題の影響は96億円に(日経より)

イオンディライト、不適切会計問題の影響は96億円に
親会社のイオン、純利益で50億円程度の損失見込み


イオンディライトが、連結子会社での不適切な会計処理問題について、特別調査委員会の中間報告書の内容を公表したという記事。

かなり大きな影響額となっています。

「調査期間(2013年3月~19年2月)で判明した現時点で純資産に与える影響額は約96億円だった。」

「中間報告書によると、連結子会社で家事代行サービスを手掛けるカジタク(東京・中央)の中古複写機の再販ビジネスで、ユーザー側に未設置の案件を売上高に計上していたことがわかった。実態のない取引による架空の売り上げ計上もあったという。当初は在庫破棄などの処理手続きに過誤があり、累計で約18億円の損失影響が発生する見込みとしていたが、調査期間を遡って調査した結果、影響額は大幅に拡大した。」

イオンディライトの2019年2月期決算は当然やり直し中ですが、親会社のイオンは見切り発車してしまったようです。

「公表を受け、親会社のイオンは同日、同社の連結決算に与える影響額は純利益ベースで50億円程度の損失となる見込みと発表した。19年3~5月期の連結決算で一括計上する予定だが、これに伴う通期業績の見通しの変更はないという。」

4月初旬には不正疑惑が発覚していたのですから、親会社であるイオンは、決算を遅らせてでも2019年2月期には取り込むべきでしょう。

当社連結子会社カジタクにおける会計処理問題に係る特別調査委員会からの中間報告書の受領について(イオンディライト)


(中間報告書より)

いろいろな不正のパターンがありますが、2番目に金額が大きな未設置物件請求(①)は、以下のような不正です。


(同上)(画像をクリックで拡大)

エンドユーザーとの間にC社という会社が介在しており、C社に対する売上を立てると、未設置であってもエンドユーザーに対する毎月の料金が発生する仕組みになっていたようで、それを補填するために、会社がC社あるいはエンドユーザーに対して値引きという形をとっていたようです(売上は機器代金全額、値引きは毎月の料金相当額なので差し引きプラスになる?)。

連結子会社における会計処理問題に係る経過報告について(イオン)

ちなみに、イオンの2019年2月期の純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は、23,637百万円ですから、50億円は2割にもなります。
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