会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日本郵政、楽天G株の評価損約851億円が戻入益に-株価回復で(ブルームバーグより)

日本郵政、楽天G株の評価損約851億円が戻入益に-株価回復で

日本郵政が第1四半期に計上した楽天グループ株式関連の減損を、第2四半期で全額戻し入れるという記事。

「日本郵政は29日、保有する楽天グループ株に関連して、7-9月期(第2四半期)に有価証券評価損の戻入益が発生すると発表した。4-6月期(第1四半期)に減損処理による評価損850億5800万円計上していたが、同額を戻入益とする。

日本郵政の増田寛也社長は同日の定例会見で、楽天Gの株価回復により、「当社の会計ルール上、著しく下落した状態ではなくなった」ため、減損処理を行わないことにしたと説明した。第2四半期累計期間では有価証券評価損の総額はゼロ円となる。」

有価証券の減損処理は、本決算では切放し法ですが、四半期で計上した減損は、その後の四半期や本決算ではいったんなかったことになって、あらためて減損の要否から判断するという考え方なのでしょう。(ただし、四半期財務諸表適用指針では、切放し法と洗替え法を選択適用できることになっています。)

記事によれば、楽天グループの株価は6月末に499円でしたが、9月29日終値で613.1円まで回復しました。前期本決算における簿価までは戻っていないようですが、減損処理不要という判断で、1Q末に行った減損を全額戻し入れたのでしょう。

「...四半期会計期間末における有価証券の減損処理にあたっては、四半期切放し法と四半期洗替え法のいずれかの方法を選択適用することができる。この場合、いったん採用した方法は、原則として継続して適用する必要がある。なお、年度決算では、四半期洗替え法を採用して減損処理を行った場合には、当該評価損戻入れ後の帳簿価額と年度末の時価等を比較して減損処理の要否を判断することとなる。」(四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針第4項より)(「年度決算では」とありますが、第2四半期決算も同じでしょう。)

有価証券評価損の戻入れに関するお知らせ(日本郵政)(PDFファイル)

当サイトの関連記事(日本郵政第1四半期における楽天グループ株減損について)

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