株主資本比率はまだ1ケタ台にとどまる
東芝の2017年3月期第1四半期決算を取り上げた記事。
利益面では改善されたものの、「株主資本は非常に厳しい」のだそうです。
「東芝は8月12日、2017年3月期第1四半期の決算を発表した。売上高は1兆2074億円(前年同期比1.9%減)、営業利益は201億円(前年同期は65億円の赤字)と急改善した。
売上高は円高のあおりを受けたほか、テレビやPC事業の販売台数の大幅な絞り込みにより減収となったものの、営業利益は黒字転換を果たした。前期の7191億円の巨額営業赤字からV字回復を目指す東芝にとって、好スタートを切ったように見える。」
「冒頭の平田CFOの発言のとおり、株主資本比率も依然として厳しい。2016年3月末の6.1%からは着実に改善しているものの、6月末で7.0%にとどまっている。改善度合いが鈍かったのは、円高により、海外子会社にかかわる資本の目減りが発生してしまったからだ。
東芝は、2019年3月期までに純利益の積み上げによる自助努力で、株主資本10%を目指している。ただ、これ以上の為替変動があれば目標達成は厳しくなり、今秋以降、特設注意市場銘柄の指定が解除された後に、増資などの選択肢も視野に入ってくるだろう。」
「海外子会社にかかわる資本の目減り」というのは、為替換算調整勘定の関係でしょう。
包括利益計算書を見ると、その辺の状況が反映されています。
東芝四半期報告書より。
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外貨換算調整額の影響で非支配控除前の包括利益はマイナス(増資がないので純資産も減少)となっています(非支配控除後はプラスですが前年同期より悪化)。