消費税引き上げ時の「消費税還元セール」が禁止されるという記事。13日の日経1面でも取り上げていました。
「自民党は12日、消費税率引き上げ時に、企業が増税分を円滑に価格に転嫁できるようにする特別措置法案を了承した。「増税分を消費者に還元」といった値引きセールを禁止する。」
「法案では、大手スーパーや量販店などによる「消費税は当社が負担」「消費税分を購入ポイントに付与」といった表示も禁止する。こうしたセールが広がれば、価格転嫁が進まない恐れがあるためだ。」
総額表示が原則なので、引き上げ以降も値札の総額表示の金額を変えなければ、自動的に「増税分を消費者に還元」したことになります。ことさら消費税といわなくても、「3月と同じ値段です」セールでもやれば同じことでしょう。
そのほか、総額表示方式の緩和も決まったようです。
「事務負担増を防ぐため、総額表示の義務を緩め、「本体価格プラス税金」の表示も一定期間認める。」
「一定期間」といわず、恒久的に認めるべきでしょう。消費者に、本体部分はいくら、加算される消費税はいくらということを常に意識してもらう方が、転嫁はスムーズに進むと思われます。
ところで、監査法人や会計事務所の報酬にかかる増税分転嫁は、うまくいくのでしょうか。企業向けがほとんどであり、企業側では増税分は仕入税額控除できるので、多くの場合は、すんなり認められると思われます。ただし、非課税売り上げの割合が大きな法人(たとえば学校法人)や、簡易課税を採用している中小企業などは、控除できない部分が大きいので、値上げをお願いしても抵抗されるかもしれません。
「業者の買いたたき」禁止 自民が消費増税転嫁対策(朝日)
「「○○円+税」などの税抜き価格の表示は一時的に認める。今は税を含んだ「総額表示」しか認めていないが、1年半で2回も税率が上がると価格の張り替え作業が大変だからだ。」
「転嫁がスムーズに進むかはわからない。「値下げと、『転嫁拒否』や『消費税還元セール』を区別して摘発するのは難しい」(全国商工団体連合会の担当者)との声もある。」
消費税における「総額表示方式」の概要(財務省)(再掲)
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