巨額の運用損が問題になっている高野山真言宗が、資産運用について会計士の監査を受けることを公表したという記事。
「高野山真言宗(総本山・金剛峯寺〈こんごうぶじ〉、和歌山県高野町)が資産運用の失敗を指摘された問題で、高野山真言宗は1日、資産運用について公認会計士による監査と弁護士の検証を受けると発表した。」
「今後、資産運用を始めた2002年度から現在にいたるまでの運用について、公認会計士の監査と、弁護士の検証を受けるという。・・・」
監査といっても、決算書を対象とする会計監査ではなく、特定の目的のための調査なのでしょう。
こちらの記事にもう少し詳しい状況が書かれています。
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高野山真言宗の宗務総長、宗会解散についての説明文を公開 「粉飾・不正をしていない」(IBTimes)
「一部の国内報道で「6億8,000万円の運用損失」として報道されたが、同時に15億9,000万円の運用利益も出ており、運用損益は9億1,000万円であると解説している。」
トータルでは利益だと強調しているようですが、利益だけ表に出して、損失を隠していたとすれば、粉飾といえます。もっとも、宗教法人の会計基準に金融商品の時価評価や減損処理が定められているとも思えないので、何が粉飾かというのは、判断がつきにくいかもしれません。
教団の発表文
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宗会解散について(高野山真言宗 総本山金剛峯寺)
「決して粉飾の意図をもって虚偽の報告をしたものではありません。早急に大手監査法人に依頼し、資産運用を開始した平成14年度より今日に至るまでの運用について、公認会計士による監査を受けるとともに、あらためて弁護士による検証を受け、結果を公表いたします。」
昨年5月までの運用実績しか明らかにしていないのが少し不思議です。また、この「監査」は、どの監査法人がやるのでしょうか。
会計士協会のサイトを探してみると、少し古いもので、今も生きている指針かどうかはわかりませんが、宗教法人の会計指針がありました。
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宗教法人会計の指針(2001年5月)
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