タカタが法的手段を通じた再建は想定していないと発表したという記事。
「エアバッグのリコール問題に直面しているタカタ株が一時、値幅制限いっぱいのストップ高となった。タカタは24日、法的手段を通じた再建は想定していないとコメントを発表していた。」
「タカタは24日夜、法的整理案が浮上との報道を受け、再建策の策定に際して「あたかも法的整理を前提に進められているかのような誤解を招きかねない一部報道」 で混乱をきたしたことは「遺憾」とした上で、法的手段を通じた再建は想定していないと発表した。」
しかし、会社がいくら法的手段をとらないといっても、(例は少ないかもしれませんが)債権者側が民事再生などの申し立てを行うことも可能なわけですから、大丈夫ということにはならないでしょう。
会社のプレスリリース。
当社の再建に関する一部報道について(タカタ)(PDFファイル)
「再建策の策定にあたっては、リコール交換部品の供給を含めた製品の安定供給を最優先に考えておりますが、法的手段による再建は、サプライチェーンの維持を困難にし、供給責任を果たせなくなる恐れが高く、また結果として当社の広範なステークホルダーに多大なご迷惑をおかけする懸念があります。
今般、あたかも法的整理を前提に進められているかのような誤解を招きかねない一部報道により、混乱をきたしましたことは誠に遺憾でありますが、かかる法的手段による再建を選択することは当社として想定しておりません。当社は全てのステークホルダーに配慮した、関係者合意による再建の方向性を目指しており、今後とも関係者には継続的なご協力・ご支援をお願いして参ります。」
タカタ関連記事。
米司法省が指摘したタカタの隠蔽工作の手口(東洋経済)
これを読むと、タカタはかなり悪質なことをやっていたという印象です。
「起訴状によると、最初に電子メールでやり取りがされたのは2004年の2月前後までさかのぼる。ナカジマ氏はタナカ氏やその他の従業員に対し、自動車メーカーに提供するインフレーターの試験データを「改ざん」する旨を説明。それから1年後の2005年2月前後、タナカ氏はナカジマ氏とチカライシ氏やその他の従業員に電子メールで、インフレーターの試験データを改ざんする以外に「選択肢はない」との意向を伝えたのだった。この電子メールを受け取ったナカジマ氏は、メールグループへ「私もXXする以外に選択肢はないと思う」と同調する返信を送った。
続く3月には、タナカ氏がナカジマ氏とチカライシ氏らに「XXは完了した」と報告、翌4月には若手エンジニアにも「XXするよう」指示する電子メールがタナカ氏から送られた。
6月、ナカジマ氏は「私たちは一緒に橋を渡る必要があった」という言葉を用いて試験データを改ざんする以外に選択肢はなかったとの内容を改めて電子メールでタナカ氏とチカライシ氏などに伝えたのだった。
さらに2008年以降にエアバッグの異常破裂による負傷・死亡事故が相次ぐようになってからも、試験データの隠蔽を続けた。また、上級幹部らが3氏らのデータ改ざん行為に何年も前から気が付いていたにもかかわらず、2015年まで3氏らになんらかの懲戒処分がなかったことに対しても、米司法省は厳しく批判した。」
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事