中米コスタリカの会計検査院を紹介した記事。日本の会計検査院と違って、市民の認知度が高いそうです。
「コスタリカ市民の意識の中で、会計検査院の存在感は非常に大きい。「会計検査院」という機関があって、そこが公金のチェックをしていることは、ほとんどの人が知っている。それは、単にその建物が目立つからからだけではない。
新聞やニュースでしばしばその仕事ぶりが報道されるので、いやでも市民の目に止まるのだ。現地新聞の見出しを追いかけるだけでも「会計検査院」という文字が日常的に目に入る。
さて、会計検査院の仕事といえば公金のチェックを誰もが思い浮かべる。日本でも、決算期には会計検査のニュースが流れる。ところが、こちらでは年中「会計検査院」という単語が入ったニュースの見出しを見かけるのだ。
正確な業務内容までは知らなくても、行政の中で非常に重要な位置を占めていることは、誰もがそこから感じ取っている。これは、コスタリカの会計検査院が単に決算の数字合わせをしているだけでなく、日常的に行政チェックの業務を行っていることを示す。さらには、その業務をメディアが日常的にチェックし、報道していることも表している。」
情報公開のシステムも優れているそうです。
「同院のウェブサイトでは、国・地方を問わず、すべての公的機関の予算、支出、残額に関して、細目にわたって棒グラフで視覚的に分かるように表示されている。」
「もちろん、どこにいくら予算がついているか、あるいはいないかも一目瞭然なので、アンバランスな予算配分がなされていれば、それも市民が告発できる。」
「会計検査院はウェブサイトの構築に知恵を巡らせ、できるだけ平易な言葉を使い、できるだけ視覚的に理解できるように工夫している。視覚障害者も音声のみで情報にアクセス可能だ。基礎的な情報や重要事項は、アニメ化するなどしてYouTubeにもアップする徹底ぶりだ。
先述のように、市民は単にそれらの情報をチェックできるだけでなく、予算やその執行状況に疑念があった場合、ウェブサイトからはもちろん、スマホアプリからも告発を行うことができる。」
日本なら財務省が行っているようなチェックを独立した機関である会計検査院がやっているのだそうです。
「ついた予算の執行状況や公有物(土地・建物も含む)の売買のチェックはもちろんのこと、予算編成の段階で、予算案が適切かどうか、国会で議決する前にチェックし、不適切な部分に関して予算の増減を勧告する。国会はそれを受けて予算案を修正し、年次予算が決まる。
日本の場合は、予算の適不適を決する実質的権限は財務省が握っている。コスタリカの場合、その権力は会計検査院にあるということだ。
政治資金の管理が適切かどうかも、彼らは領収書を1枚ずつチェクしていて、選挙の後には勧告が嵐のように出される。そのため、会社の経営者が国税庁を恐れるがごとく、この国の政治家は会計検査院に対してナーバスにならざるを得なくなる。」
強い権限が与えられ、独立性を確保しているそうです。、
「コスタリカでは、会計検査院の独立を保つため、強い権限を持たせている。そのモダンな建物は威厳を示し、人口わずか500万の国で、会計検査院本部だけで600人以上が従事していることからもそれはうかがえる。」
日本の会計検査院の職員は1200人ほど(パンフレットによる)なので、人口500万人で600人以上というのは、多すぎるような気もしますが、国や地方自治体の監査機能を集約しているのであれば、そのくらいは必要なのかもしれません。
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