IFRS適用状況や企業側の適用理由などを取り上げた記事。(8月の日経ビジネスに掲載された記事であり少し古い。)
IFRSを適用する理由については、よくいわれるのれんの償却がないことの他、開発費を資産計上できることを挙げています。
「東証マザーズに上場するメタップスはゲームソフト会社の販促支援などをする。例えばオンラインゲーム開発会社が自社製品のテレビCMを打ったとする。その際、ゲームユーザーがどのように変化するかビッグデータ解析をするシステムの開発などを手掛ける。
IFRSの場合、こうした開発を「完成させ売却することが技術的に可能である」といった6つの要件を満たすと、開発費を資産計上できる。資産計上すれば、費用は減るからその期の利益は押し上げられる。日本基準だとそうはいかない。全て費用計上しなければならず、積極的に開発するほど、利益は圧迫されることになる。
「次々に新しいシステムや技術を開発しようとする我々のような企業は、(開発をするほど利益が圧縮される)日本基準では後手に回ることになる」。公認会計士でもある同社の加藤広晃・経理部長はこう言う。やはり、アグレッシブな成長への志向がIFRSを選ばせているのである。」
PLの表示が日本基準と違うことにもふれており、例として、日立とソフトバンクが挙がっています。しかし、よく読んでみると、日立の方は、IFRSのルールに従った表示方法のことをいっているのに対し、ソフトバンクは、非GAAP指標の開示をいっているようです。
企業が勝手な非GAAP指標を開示して、GAAPによる数値をないがしろにすることは、むしろ批判の対象となっています。IFRSの元締めであるIASBの議長も批判しています。
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