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「マザウェイズ」絶好調に見えたのに破産した理由(東洋経済より)

「マザウェイズ」絶好調に見えたのに破産した理由

書籍の宣伝記事のようですが、「マザウェイズ」という子供服チェーンの倒産を解説した記事。

「破産申立書によると負債総額は 59億6000万円。関連会社の根来(ねごろ、大阪市)とネイバーズ(同)も連鎖して倒産し、3社の負債総額は約77億円に上った。」

「2019年1月期の売上高は81億円に上り、店舗数は98店、従業員は854人に達していた。破綻4カ月前の3月も大阪、群馬などに3店をオープンしたばかりだった。」

2010年前後から店舗網を急拡大し、海外採算体制の整備も行い、売上は急増しましたが...

「しかし、この拡大路線の経営は、結果的に薄利多売による利益率の低下常に大量在庫を抱える状況を招いた。暗雲が垂れ込めたのは、2013年下期から始まった円安

日本円の対ドル相場はその後の1年で20円以上も下落。中国の人件費上昇も加わり、 3割未満だった製造原価が5割を超えた。

「円安も人件費の上昇も予測せず、3年先まで1ドル90円前後の想定で発注していたため、取り返しがつかなくなった」(松本社長)。」

その後も売上は維持していましたが、大幅な値引き販売が常態化し、薄利の経営となっていたそうです。

「慢性的な在庫を抱えるところに天候不順が追い打ちをかけた。2018年秋から冬にかけて続いた暖冬、 19年の春先に続いた寒波の影響により在庫がさらに増加。 2019年4月には短期借入金の返済ができなくなり、資金繰りも行き詰まったことで経営を断念した。」

海外での人件費増や、急激な円安などの点で、同じような状況に陥っている会社もあるかもしれません。また、いくら低金利でも、発注・在庫管理を間違えて、資金の回転が悪くなると、経営に響くのでしょう。


(電子書籍版)(紙の本も別にあります。)
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