会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「越前大仏」の滞納40億円を放棄(福井新聞より)

「越前大仏」の滞納40億円を放棄
勝山市、回収見込みなく差し押さえ解除


福井県勝山市が、越前大仏の寺院を建立、運営し経営破綻した企業2社の滞納市税約40億8千万円を、不納欠損処理し、差し押さえを解除していたという記事。福井県は、すでに県税滞納分約57億円を処理済みだそうです。

「市によると、差し押さえていたのは高さ75メートルの五重塔や門前町の建物と敷地約3万4千平方メートル。所有していた不動産管理会社など2社の1996年度から2014年度までの法人市民税、固定資産税の滞納分として差し押さえていた。現在は宗教法人の清大寺が所有している。

07年以降、公売見積価額(最低落札価格)35億円で五重塔などを公売に出したが応札はなく、計9回すべて不調に終わっていた。」

「清大寺は1987年に同市出身の故多田清氏が建立。一時、寺を運営していた相互タクシー(08年自己破産)が国税庁から申告漏れの指摘を受け争ったものの法人税の追徴課税213億円が02年、最高裁で確定。その後、寺を所有していたグループ企業とともに経営的に行き詰まり県税、市税を滞納し、土地建物が差し押さえられていた。」

一種の仏教テーマパーク(相続税もかからない?)を狙ったのかもしれませんが、うまくいかなかったのでしょう。バブル崩壊の後始末は終わっていなかったようです。

施設の写真はこちら。

天皇と呼ばれた大実業家による夢の寺院「越前大仏・清大寺」【福井】(日本珍スポット100景)

「晩年になり多田氏は「今の自分があるのは世間の人びとに迷惑をかけ借金をしてきたから」と「人生借金返済論」を述べ、慈善事業や寄付に熱を入れました。その一番大きな返済がこの清大寺なのであります。総工費はなんと380億円。」

このサイトで引用されている新聞記事によれば、2002年に宗教法人化するまでの税金が滞納になっていたようです。

相互タクシー(株)〜福井県内過去最大規模の破綻〜(東京商工リサーチ)

淡路島にはもっとひどい例があるようです。

高さ100m大観音の外壁落下 台風24号原因、管理者不在で老朽化(神戸新聞)

所有者不在で荒れ果て放置される巨大“迷惑観音像”…複雑に絡む権利・法律、倒壊の危険も行政は手を出せず(産経)

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