東京商工リサーチによると、10月29日までに中間決算を発表した813社のうち、323社が為替差損を計上し、差損総額は2695億円(前年同期の約2.3倍)にのぼるという記事。
「最も差損額が大きかったのは、任天堂の621億円」だそうです。
若干のコメントを・・・
1.為替レートの影響は、為替差損益だけに出るのではない。輸出企業の場合には、(原則的な会計処理だと)売上日のレートで売上が計上される。円高になれば、売上の減少として影響があらわれる。(そもそも、採算が合わずに、輸出取引自体が行われない場合もありうる。)
2.任天堂の為替差損は、連結に含まれる会社のうち、日本に所在する会社で多額の外貨建て金融資産を保有しているために発生したものである。これが、海外の子会社でその国の通貨建ての金融資産を保有している場合には、為替の変動の影響は、損益計算書ではなく、為替換算調整勘定の変動(包括利益の会計基準導入後は包括利益の一部)として出てくる。海外展開している会社の場合は、円高の影響として、為替換算調整勘定への影響も見るべきではないか。包括利益が大事だという議論にもつながる。
上場会社813社 2010年9月中間期決算~為替差損合計は差益合計の約7.5倍の2,695億円~(東京商工リサーチ)
任天堂:最終赤字20億円 9月中間、7年ぶり 販売不振に円高直撃(毎日)
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