大王製紙の2013年3月期の連結最終損益が195億円の黒字になるという記事。「大王製紙が以前から保有していた関連会社株について、194億円を段階取得に関わる差益として計上する」影響だそうです。
「今夏、大王製紙が株式を創業家から買い取った価格は、大王製紙が以前、関連会社株を取得したときに計上した価格を上回っていた。その差額は段階取得に関わる差益として、会計上、収益を押し上げる要因となる。」
「創業家からの関連会社株の取得総額が486億円だったと発表した。」
「買い取りにより、買収額が純資産額を上回った差額である「のれん」が549億円発生。今後20年間に分割して費用として計上する。」
今期取得原価を増加させて利益を出しても、その分はのれんの増加となり、将来の費用となります。何をやっているのだろうという気もしますが、企業結合会計基準で以下のように定められているので仕方ありません。
「連結財務諸表上、支配を獲得するに至った個々の取引すべての企業結合日における時価をもって、被取得企業の取得原価を算定する。なお、当該被取得企業の取得原価と、支配を獲得するに至った個々の取引ごとの原価の合計額(持分法適用関連会社と企業結合した場合には、持分法による評価額)との差額は、当期の段階取得に係る損益として処理する。」(25項(2))
支配獲得時にいったん取得原価を時価で計算し直し、それを取得した子会社の資産、負債にそれぞれの時価に基づき配分し、差額をのれんとするということになります。
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