会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

JDI、832億円純損失で債務超過 支援元が会見中止(朝日より)

JDI、832億円純損失で債務超過 支援元が会見中止

液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)が第1四半期決算(2019年4~6月期)で債務超過に陥ったという記事。

「経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)が9日に発表した2019年4~6月期決算の純損益は832億円の赤字となり、772億円の債務超過に陥った。債務超過の解消に向けて、中国・香港の企業連合から800億円の金融支援を受け入れる最終契約を結んだが、この日予定していた共同記者会見を中止するなど、再建の先行きに不透明さが漂っている。」

「業績不振の影響で7月から稼働を停止している白山工場(石川県)の514億円分の減損処理も最終損益を押し下げた。」

「日の丸液晶」のJDIが火の車 希望退職1千人超募る(朝日)

「中国・香港の企業連合は9日、「JDIが新たな長期的成長を実現するために、主要ステークホルダー(利害関係者)とのパートナーシップに尽力する」などとするコメントをJDIを通じて発表したが、金融支援には「中国の政府当局からの介入がないこと」など複数の条件が付いており、確実に資金調達できるかどうかは不透明な要素も残る。JDIは7日の発表で、金融支援を予定通りに受けられなければ、「資金繰りが悪化することで事業継続が困難となる可能性がある」としている。」

(開示事項の中止・変更)Suwa Investment Holdings, LLCとの共同記者会見に関するお知らせ (JDI)(PDFファイル)

四半期報告書が提出済みです。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/6740/yuho_pdf/S100GR0T/00.pdf

あずさ監査法人による四半期レビュー報告書では、(当然のことですが)継続企業の前提に関する記述がなされています。

「継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は前連結会計年度において2期連続で重要な減損損失を計上するとともに、2期連続で営業損失となっており、5期連続で親会社株主に帰属する当期純損失を計上していること、及び当第1四半期連結累計期間においても重要な減損損失を計上するとともに、重要な営業損失及び親会社株主に帰属する四半期純損失を計上し、その結果当第1四半期連結累計期間末において債務超過となっていることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。なお、当該状況に対する対応策及び重要な不確実性が認められる理由については当該注記に記載されている。四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な不確実性の影響は四半期連結財務諸表に反映されていない。」

金融支援が確定しているわけではないので、以前の厳しい基準だと、意見(結論)不表明かもしれません。

アベノミクスの6年間で、日本と中国の格差はさらに拡大した(現代ビジネス)

「アベノミクスの期間、日本は何をやったのか? 何の意味もない金融緩和政策だ。構造改革や規制緩和がかけ声ではいわれたが、新しい産業が登場したわけではい。

むしろ、これまで日本の主力産業であった分野での企業の衰退・劣化が目立つ。

「日の丸半導体」企業であるルネサス エレクトロニクスは、2019年5月に、国内外の13工場で長期生産停止に踏み切った。グループ従業員の5%に当たる1000人近くの希望退職を募っている。フラッシュメモリーを手掛ける東芝子会社の東芝メモリも、米投資ファンドを中心とする日米韓連合の傘下となった

それに続いて、「日の丸液晶プロジェクト」であるジャパンディスプレイ(JDI)が危機的な状態になった。1000名規模の早期希望退職者の募集や、役員報酬と管理職の賞与減額などを予定している。いったんは台湾のパネルメーカーや中国の投資ファンドなどで構成される台中3社連合から金融支援を受けることで合意したのだが、先行きは不透明だ。」
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