会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

タカタ・リコール対象1億台超へ(共同通信より)

タカタ・リコール対象1億台超へ
米当局判断で、費用1兆円超か


タカタ製エアバッグのリコール対象が拡大するという記事。

「タカタ製エアバッグのリコール(無料の回収・修理)対象が、現在の約6千万台から1億台超に拡大する見通しであることが29日、分かった。米道路交通安全局(NHTSA)が5月中にも対象拡大を決める方向になったためで、全体のリコール費用の負担は1兆円を上回るとみられる。」

1兆円超のうちのタカタ負担分を2016年3月期で引当てする必要があるでしょう(前期までの損失計上分を除く)。

最新の四半期報告書

四半期報告書(2015年4~12月)(タカタ)(PDFファイル)

偶発債務の注記で比較的詳しく記載しています。レビュー報告書の強調事項でもふれています。

いくつのの項目に分けて書いていますが、いずれも「当企業グループの負担金額を合理的に見積ることは困難であります」ということで、損失処理しているのは限られた金額のようです。

米国での報道の例。

Family of teen killed by Takata airbag files lawsuit(音声注意)

The lawyer for the family, Mo Aziz, said all of these deaths could have been prevented if Takata wasn’t trying to save money by using a cheap and dangerous chemical, ammonium nitrate, that, when detonated, can be half as powerful as a hand grenade.

タカタ製エアバッグのリコール、米当局数千万台追加へ(日経)(記事冒頭のみ)

マツダ、円高で今期営業減益予想、タカタ問題で前期に特損407億円(ロイター)

「16年3月期(前期)連結決算では、純利益が前の期に比べ15.4%減の1344億円となった。日本や欧米などでの販売は好調だったものの、タカタ(7312.T)製エアバッグ部品のリコール(回収・無償修理)関連費用として約407億円の特別損失を計上したことが響いた。

今回計上したリコール関連費用は不具合部品のインフレ―ター(ガス発生装置)で約800万個に相当するといい、小飼雅道社長は「これでほとんど引き当てた」と述べた。」

5月1日の日経によれば、自動車メーカーはそれぞれすでにかなりの損失を計上済みです。しかし、今回のリコール追加に対応した損失の追加も必要になるようです。

いずれにせよ、この問題に関しては、自動車メーカーがまず損失を計上し、タカタに対して求償できそうな部分を利益または損失のマイナスとするのでしょう。

他方、日本のマンションくい打ち不良問題では、マンション販売会社は購入者に対して補償を約束しているのに、何ら損失計上していないようです。
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