10月2日に開催された企業会計審議会の総会・企画調整部会合同会議の模様を伝える記事。記事の見出しのとおり、進展はなかったようです。
「・・・今回は、IFRSの設定主体であるIASB(国際会計基準審議会)や米国の動向説明が中心。議論の進展はほとんどなく、会議は予定時刻より20分早く終了した。」
IFRS導入に関する米SECスタッフ報告書の説明などがなされています。
「・・・最終報告書では、IFRSの導入方針について「こうすべき」という提案はなされていない。今後に関しても具体的な言及はなく、「米国の関係者からは『大統領選挙が終わらないと話にならない。結論を出すのは、早くて2013年半ばではないか』との意見があった」・・・
日本がIFRS適用方針について「米国に従う」形を採るのであれば、まだ1年近く結論を出せないことになる。・・・」
米国の動向を見てから決めるという方針であれば、しばらく審議会を休めばよさそうなものですが・・・。
記事では、今後の見通しについて、以下のようにまとめています。
「委員の意見は「学者」「国内製造業」「投資家」「会計士」「業界団体」などそれぞれの立場に立脚したもので、議論をいくら重ねてもまとまる気配がない。「IFRSに対する日本としての態度を明確にすべき」との声は毎回のように委員から出てくるが、早期に何らかの結論に至るのは難しそうだ。金融庁が強いイニシアティブを採るなど、状況を変えるアクションが出てこない限り、しばらくは同じ状況が続く可能性が高い。」
金融庁のIFRS審議が再開、「米国動向の見極めを」(@IT)
「委員の廣瀬博氏(住友化学工業 取締役副会長)は、「(IFRSに関する)産業界の最大の関心は米国の動向。今回のレポートでは米国の(IFRS適用などに関する)タイムテーブルなど、具体的な提言は含まれていなかった。日本のIFRS対応は、米国で動きがあった場合に遅滞なく対処できるよう審議を進めるべきだが、米国の最終判断をまず見極めることが最重要だ」と話した。」
IFRSの強制適用、日本の判断は2013年以降に持ち越しへ 議論集約されず(ロイター)
「2日開催の会計審でも、意見の集約は見られなかった。現時点でIFRSの扱いをめぐる次回の会計審の年内開催は予定されておらず、強制適用の判断が来年以降に持ち越される可能性が高い。中塚一宏金融担当相は1日の会見で「いつ結論を出すというのは、今の段階で予断を持って申し上げるのは難しい」と述べていた。」
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