経営財務の11月11日号の記事で知りましたが、東芝の子会社で、比較的大きな不正会計処理が発覚したようです。
「東芝(6502)は30日、電子カルテなど医療情報システムを手掛ける傘下の東芝医療情報システムズ(東京・品川)において不適切な会計処理が行われたことが判明したと発表した。連結ベースで94億円の営業外損失を東芝の4~9月期連結決算に計上した。」
94億円というのはかなり大きな金額であり、普通の上場会社であれば大問題となるところですが、東芝クラスの規模になると、影響はないようです。淡々と営業外損失(日本基準なら特別損失でしょう)に計上して処理しています。
ただし、記事によれば、(当該会社の?)取締役が主導してやっていたとのことなので、その点では悪質です。不正を行っていた期間も長期にわたっています。
当社連結子会社における不適切な会計処理について(東芝)(PDFファイル)
プレスリリースによると、問題を起こした会社は、東芝の孫会社です。
「・・・TSMED において、2006 年度から2012 年度の間、経理責任者の取締役管理部長(2012 年6月から管理部担当) 及びその指示を受けた部下の経理グループ長が、 ①売上計上に伴い計上される売上原価並びに販売費及び一般管理費を減額し資産勘定(仕掛品、ソフトウェア勘定、ソフトウェア仮勘定) に振り替えることにより資産を過大に計上する、②売上原価として計上又は減損処理すべき仕掛品についてかかる処理を行わない等の方法によ り、 利益を過大計上していたものです (以下 「本会計処理」 といいます。)。 本会計処理による2006 年度から2012 年度までの TSMED の損益影響額は累計で9,863 百万円と判明いたしました。」(TSMED:東芝医療情報システムズ)
不正の手口としては単純なものだと思いますが、ソフトウェアという無形の財産の過大計上のようなので、発見しにくかったのかもしれません。
不正の背景については、「TSMEDの設立以来10 年近くにわたり、経理部門は一貫して取締役管理部長、経理グループ長(及び一般職の従業員1名) で構成され、同社の会計処理に関する権限が取締役管理部長に集中し、経理業務については取締役管理部長及び経理グループ長以外の人間が実態を把握できなくなっていたこと」などが挙げられています。
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