文部科学省の有識者会議が、私立学校のガバナンスに関する報告書を来月提出する方向だという記事。前にも取り上げた学校法人ガバナンス改革会議の話です。
「有識者会議は、7月に設置された「学校法人ガバナンス改革会議」。日本公認会計士協会の増田宏一・元会長が座長を務め、弁護士や企業統治に詳しい大学教授らで構成されている。」
「政府は19年の骨太の方針で、学校法人について、社会福祉法人などと同等のガバナンス機能が発揮できるように文科省に制度改革を求めた。さらに今年6月に閣議決定された骨太の方針でも「手厚い税制優遇を受ける学校法人にふさわしいガバナンスの抜本改革」について年内に結論を出し、法制化を行うよう求めた。
これを受けて設置された有識者会議は、理事会メンバーは学内関係者が多く、理事長らが問題を起こしても監督できないとのスタンスで議論してきた。」
報告書の骨子は固まったそうです。
「19日の会合では同省に提出する報告書の骨子案が議論され、おおむね了承された。現在は学校内の人も入っている評議員会のメンバーを学校外の人だけにしたうえで、理事の選任・解任や予算・決算、合併や解散などの重要な決定を行えるように、私立学校法などの法令の改正を提案するという内容だ。評議員を選ぶ際も、理事会や理事が選ぶのを認めず、選定のための委員会を設けることにし、プロセスを公開して透明性を確保するよう求めている。」
反対も強いようです。
「私立大側は反発している。早稲田大や慶応義塾大などが加盟する日本私立大学連盟は10月に公表した意見書で「(学外者だけの評議員会では)長期的視野により責任をもって教育研究の支援・運営に関する経営判断の是非を議論するのは困難」と批判。全員を学外の人にするのではなく、「一定の割合以上」にするよう提案している。」
ちょうど日大背任事件で、私立大学のガバナンスの実態があきらかにされたわけですから、何もやらないわけにはいかないでしょう。
今後の予定は...
「有識者会議は12月3日に最後の会合があり、年内に報告書を提出する。これを受けて同省は、関係する法律の改正案を作り、来年の通常国会に提出する方針。」
私学の評議員会の権限強化を 文科省会議が提言案(日経)
「現行の私学法では、評議員会は諮問機関に位置づけられる。意思決定機関である理事会に対し、事業計画や役員報酬などについて意見を述べることはできるが、原則として拘束力はない。提言の骨子案は評議員会を「最高監督・議決機関」とし、こうした重要事項を決める際、評議員会の議決を義務付けることを求めた。
現在は法人ごとに定めている理事の選任と解任の方法についても、プロセスを公開して透明性を担保した上で、評議員会が行えるようにすると明記。また、現職の理事や教職員が評議員を兼ねることも禁じ、学外者の起用を基本とした。」
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