原発事故などで東京電力の経営が悪化するという記事。
「東電は、福島第1原発の事故対応や損害賠償だけでも巨額の費用を求められる上、火力発電の復旧・増設に設備投資が必要。中東情勢の緊迫化による原油や天然ガスの価格高騰で代替火力の燃料費が膨らむのは必至だ。07年の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発の全基が停止すると、火力の燃料費などに年間6000億円かかった。福島原発事故でも「年間5000億~6000億円規模でコストを押し上げる」(大和証券キャピタル・マーケッツ)と試算されている。」
「・・・原発停止が長期化したり、福島第1原発が廃炉になれば、さらに数千億円規模の費用がかかる。・・・」
金融機関による緊急融資の観点(資金繰り)から書かれた記事ですが、会計については、地震・事故が発生した当期の損失とすべきものと将来(当期以降)の費用となるものに分けて考える必要がありそうです。
現在ある設備に関する損失(固定資産の減損や資産除去債務の見直しによる損失を含む)や事故による損害賠償金は、当期の損失(見積りも必要)になります。代替火力の燃料費、停電や節電による売上減などは、将来(当期以降)の決算に反映されます。発電所の増強のための支出は資産計上されて減価償却により将来の期間に費用計上です。
さしあたり、当期の決算において、計上すべき損失をきちんと計上することが、この会社には求められます(ありきたりの結論ですが)。当然、監査人や証券取引等監視委員会も注目しているはず(?)です。
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