レオパレス21(東証1部上場)が、アパートの施工不良を発表したという記事。まだごく一部しか調査していないようです。
「「界壁」と呼ばれる防火性などを高める部材が天井裏に未設置だったり、十分な範囲に設けられていなかったりした。建築基準法違反の疑いがある。来年6月までに全3万7853棟を調査し、不備のある物件を改修する。」
どのくらいの割合で不良があったかというと...
「施行不良が見つかったのは1996~2009年に施工したアパート6シリーズ。すでに調査を終えた290棟のうち、38棟で界壁がないなどの不備があった。」
「これとは別に94~95年に竣工した2シリーズでも、調査した184棟のうち168棟で界壁がなかった。同社は4月末に施工の不備がみつかったと発表していた。」
後者の方は、ほとんどが施工不良というひどい状況です。これは、仮に例外として無視して、290棟中38棟で計算するとしても約13%です(後者も含めると不良率は約43%)。
13%を38000棟にかけると、5千棟近くになります。1棟あたりの工事費は60万円程度とのことなので、30億円ほどになります(43%で計算すると100億円近く)。2018年3月期では、これについてきちんと引き当てているのでしょうか。
「一連の調査での不備は200棟を超え、今後も増える見通し。19年6月までに全棟を調査し、同年10月までに改修工事を終える方針。工事費は10室程度の物件の場合、1棟あたり60万円程度としている。」
会社のプレスリリース。
当社施工物件における界壁工事の不備について(レオパレス21)
「(エ) 業績への影響
当社の業績に与える影響について、現時点においては軽微であると考えております。」
レオパレス、アパート38棟で建築基準法違反の疑い(朝日)
「建物オーナーからの指摘を受けた社内調査で発覚した。同社は2019年6月までに、施工した全アパート3万7853棟について、同様の問題がないか調査する。このうち、現時点で調査を終えたのは474棟にとどまり、法令違反の疑いがある建物は増える可能性がある。」
「レオパレス21」プライバシー軽視 屋根裏、ずさん工事繰り返す(産経)
「同社は、アパートを所有者から一括して借り上げ、一定賃貸料を支払うサブリース業を手がけて成長した。
ただ、賃料や修繕費などをめぐってオーナー側から民事訴訟を起こされるケースも発生。過去の訴訟では、界壁の不備を指摘されたこともあったという。」
以前から、工事不良はわかっていたのでは。
ずさん工事、レオパレス「安普請」で有名だった 隣の声が筒抜け…業者「やっぱりな」(夕刊フジ)
「「やっぱりな、という感じです。レオパレスが手がけるアパートの安普請さは業界では有名で、声が漏れる、隣の音がうるさいなどいろいろなトラブルがあるという話をよく聞く。1棟だけならミスということもあるが、この業界で数十棟に嫌疑があるというのはありえない。組織的に故意にやっていたと疑われても仕方がないでしょう。不動産業者なら誰でもそう思います」(不動産コンサルタント)」
レオパレス21の法令違反疑い発覚、テレ東「ガイアの夜明け」取材がきっかけだった ネットは「いい仕事した」と話題に(キャリコネ)
「天井裏の問題は過去の裁判でも指摘されていた。レオパレス21は、家賃30年保証を謳いアパート経営を勧めてきたが、2011年から一方的な解約が増えたことで複数のオーナーから訴えられている。オーナーの独自調査によって界壁問題が判明し、裁判所が2012年にそれを通知すると、レオパレス側は和解を受け入れた。当時調査した一級建築士は、こうコメントしている。
「住むための建物じゃなく、おカネ儲けの建物という感じ」
「本当は、世の中に存在しちゃダメな建物だと思います」
レオパレスは、少なくとも6年前にはこの問題を知っていたことになる。」
「レオパレス」で施工不良(テレビ東京)
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