IFRSのリース会計基準のような基準が日本に導入されると、企業の投資意欲に水を差し、景気を牽引している設備投資に影を落とすといって、新会計基準導入への危機感をあおる記事。
「国際会計基準は2019年から、リースの機械もすべて資産とみなす。買っても借りても同じルールが日本にも適用されれば、リース本来のメリットはなくなる。手元資金の乏しい中小企業の投資意欲に水を差すと懸念する声が出ている。」
「機械などを自社で購入せず、リース会社から借りるリース取引の利点の一つは会計処理が簡単なことだ。複数あるリース取引のうち、残価を設定して借りる期間を区切る「オペレーティングリース」であれば、代金を経費として処理できる。自動車やコピー機などの多くはオペリースだ。
ところが国際会計基準では19年から、すべてのリースが企業の資産とみなされる。オペリースも例外ではなくなる。資産であれば減価償却が必要で、元本と利息は分けて計算する。経費処理に比べると煩雑だ。」
「リースは00年代、米国で不適切な会計処理が問題となった。適切な会計監査を求める声は世界的に強い。監査法人は日本が取り残されることを懸念しており、「リース会計の整備は最大の課題」(関係者)だ。
リースを使ってきた企業は困惑する。ある自動車部品メーカーはフォークリフトやコピー機などほぼすべての備品がオペリースだ。財務担当者は「会計基準が変わると、手間がどれぐらい増えるのか見当も付かない」と表情を曇らせる。」
「会計処理の変更が企業経営の足かせになるなら、戦後2番目の長さになった景気回復をけん引する設備投資に影が落ちる。」
(記事の中のオペ-レーティング・リースの説明がちょっと変ですが)
米国だけでなく、日本でも、二重リースや空リースといった不正は珍しくなく、また、破綻したスカイマークでは、簿外となっていた巨額のオペ-レーティング・リースが問題となっていました。日本でも基準導入の必要性はあるでしょう。(基準を導入したからといって不正がなくなるわけではありませんが、オンバランスになれば、関係者や監査人の注意を引き、不正はやりづらくなるでしょうし、経営に対するリスクも明らかになります。)
当サイトの関連記事(ASBJがリース会計検討に着手するか否かに関する検討をはじめたという記事について)
その2(スカイマークの簿外債務について)
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