会計検査院が2015年度の決算検査報告書を提出したという記事。
税金無駄遣い第1位は金融庁だったようです。
「税金の無駄遣いなどの指摘金額は過去2番目に多い1兆2189億4132万円で、6年ぶりに1兆円を超えた。指摘件数は前年度より115件少ない455件。このうち法令違反などの「不当事項」は345件、計178億3541万円に上った。
指摘金額は、金融庁の1件で1兆964億円と全体の9割近くを占め、総額の押し上げ要因になった。預金保険機構に設けられた金融機能早期健全化勘定のうち、今後使われる可能性のある最大限の額を差し引いた分を余裕資金として試算。国庫納付など有効活用を求めた。」
金融庁への指摘は、無駄な支出を行ったというような不正ではないようですが、巨額の余った予算(国民の税金を一時的に預かっていることになる)を、タイムリーに返さずに、自分たちの支配下においているというとんでもない話です。
別の報道によれば、11年度の決算検査報告でも同様の指摘を受けていたのに、なんら改善していなかったようです。きわめて悪質です。根本原因を明らかにして、国民の前に示すべきでしょう。
預金保険機構に「埋蔵金」1兆円超 検査院指摘(朝日)
「この資金は1990年代後半の金融危機の際、金融機能早期健全化法に基づいて金融機関に注入された公的資金が元になっている。資本増強を目的に、預保は整理回収機構を通じ、32銀行の優先株などを計約8兆6千億円で取得。その後、業績を回復させた銀行が優先株などを買い戻したため、売却益が預保に利益剰余金としてたまっている形だ。」
こういうことをやっているから、霞ヶ関埋蔵金で財政赤字を解消できるみたいな説が出てくるのでしょう。
平成27年度決算検査報告の概要(会計検査院)
(補足)
預金保険機構の利益剰余金、1.1兆円「余分」(日経)
この記事に添えられている「金融庁側には戸惑い」という解説で金融庁が言い訳しています。
「「一部分を切り取って無駄があるかのような指摘は不本意だ」。預金保険機構を所管する金融庁の幹部は戸惑いを隠さない。」
「金融庁も勘定ごとの収支を相殺するための制度改正の必要性は認識しているが、時期尚早との考えだ。」
しかし、勘定ごとに分けているというのは、その勘定ごとにコントロールするという意味があるのでしょうから、金融庁の方で勝手に将来別の勘定で使う(相殺する)ことはできないはずです。勘定ごとに余った資金は返すのが当然でしょう。
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