日本公認会計士協会は、期中レビュー基準報告書第2号実務ガイダンス第1号「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める四半期財務諸表等に対する期中レビューに関するQ&A(実務ガイダンス)」を、2024年3月28日付で公表しました。
「はじめに」より。
「株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」という。)においては、有価証券上場制度を見直し、有価証券上場規程等に定める四半期財務諸表等について、企業会計基準第 12 号「四半期財務諸表に関する会計基準」及び財務諸表等規則を適用するほか、有価証券上場規程等に定める注記事項等の一部の省略を認め、適正表示の枠組み及び準拠性の枠組みのいずれかを適用して四半期財務諸表等を作成することとされた。また、当該四半期財務諸表等に対する期中レビューについては原則任意とし、期中レビューを行う場合は、年度の財務諸表の監査を実施する監査人が行い、企業会計審議会及び日本公認会計士協会の実務の指針に基づく期中レビューを求めることとされた。
本実務ガイダンスは、四半期財務諸表等に適用される財務報告の枠組み及び期中レビューに関して理解が必要と思われる事項について、会員の参考に資するためにQ&A形式によって解説を提供している。
なお、東京証券取引所の有価証券上場規程と同等の規則を定めている他の取引所等においても同様である。」
以下のような構成となっています。
Ⅰ はじめに
Ⅱ Q&A
Q1 第1・第3四半期財務諸表等の財務報告の枠組み
Q2 東証短信レビューに適用するレビュー基準等
Q3 適正性に関する結論と準拠性に関する結論を表明する場合の期中レビュー手続
Q4 東証短信レビューの義務付け
Q5 後発事象
Q6 継続企業の前提
Q7 訂正第1・第3四半期財務諸表等に対する期中レビュー
Q8 その他の留意事項
付録1 経営者確認書の記載例
付録2 四半期財務諸表に対する期中レビュー報告書の文例
四半期決算短信のレビューを行わない場合は、関係ないかと思えば、Q8で四半期決算短信レビューの契約をしていない場合の対応にもふれています。
「任意の東証短信レビューの契約を締結していない場合の監査人の対応
東証短信レビューの契約を締結していない場合においても、年度監査品質の維持の観点から、第1・第3四半期決算のタイミングで、会社の状況や変化を把握するために会社(経営者、監査役等)と十分にコミュニケーションを行うことが考えられる。例えば、会計上・監査上の論点を先送りすることなく適時に検討することや、会社に対し、相談事項や確認事項等について早めに討議する等の依頼を行うことなどが考えられる。
なお、監査人は四半期財務諸表等の内容を検討する義務を負わないが、四半期財務諸表等において虚偽表示又はその他の記載内容の誤りの存在等明らかに間違った開示の事実を把握した場合には、経営者等に対して当該虚偽表示等の存在を通知することが推奨される。また、年度の監査等におけるリスク評価に与える影響を検討する(監査基準報告書 315「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」第7項参照)。」