米国の上場企業監査監督機関であるPCAOBが、PCAOBの検査や調査に関連して監査調書を改ざんすることに対する警告文書を公表したという記事。
The PCAOB cautioned Thursday that improper alteration of audit documentation can result in severe penalties.
PCAOBの検査や調査に関連して、不適切に監査調書を削除、追加、変更したとして、監査事務所や個人が処分を受けた例があるそうです。
In a staff audit practice alert, the board warned that firms and individuals have been sanctioned in past years for improperly deleting, adding to, or altering documentation in connection with a PCAOB inspection or investigation. Sanctions have included revocation of firms’ registrations and individuals being barred from auditing for registered firms.
そのような行為が引き続き発生しているという証拠があるそうです。PCAOBの検査官に提供される前に、検査官にその事実を知らせることなく、監査調書が不適切に削除・追加・変更されている例があったとのことです。
Recently, the PCAOB has seen evidence that such actions have continued to occur, according to the alert. Enforcement staff members have discovered evidence that audit documentation has been improperly deleted, added to, or altered before being made available to PCAOB inspectors, without informing the inspectors of the alterations, the alert says.
不適切に変更された監査調書をPCAOBに提供することは、その変更が隠そうとした監査不備を検査官が発見した場合よりも、はるかに深刻な結果になる場合があると、今回公表された文書は警告しています。
The consequences of providing improperly altered audit documentation to PCAOB inspectors or investigators may be far more severe than the consequences of the PCAOB staff identifying the audit deficiency that the revisions attempt to hide, the alert warns.
PCAOB検査の対象となる監査事務所は、監査チームに徹底する必要がありそうです。
PCAOB検査に限らず、会計士協会のレビューや金融庁検査でも、レビューや検査前に監査調書を事務所内でチェックすることがあると思いますが、不備があってもへたに細工しない方がよいということでしょう。
それでは、事前に不備を見つけたときにどうするかですが、追加文書化や追加手続きを行ったことが、検査官らにわかるように記録しておくしかないのでしょう。監査事務所ごとのルールがあると思います。一般的なルールとしては、監査調書に関する監査基準委員会報告書でもふれていたはずです。
PCAOBのstaff audit practice alert
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STAFF AUDIT PRACTICE ALERT NO. 14 IMPROPER ALTERATION OF AUDIT DOCUMENTATION APRIL 21, 2016
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