グローバル・ファイナンシャル・サポートという投資運用会社の募集したファンドが実質的に破綻しているという記事。120億円もの資金を集めているそうです。
「問題となっているのは、グローバル・ファイナンシャル・サポート(GFS、東京都渋谷区)が平成18年以降に出資を募った「HOPEシリーズ」の投資ファンド。GFSの投資家への説明によると、ファンドの設立時に投資家から集めた出資金を運用する合同会社を設立し、3~5年間の運用期限で個人投資家と匿名組合契約を結ぶ。
東京や愛知などの老朽化したラブホテルを合同会社が買い取り、ホテル運営のノウハウを持つGFS子会社「コムエイ」に運営を委託。改装などで収益性を上げて得た利益を年2回、出資者に配当金として分配するほか、期限後はホテルを売却するなどして元本を償還するシステムだった。」
匿名組合の営業者が合同会社ですから、決算公告の義務もありません(会計監査人の制度もない)。非常に都合がよい会社形態なのでしょう。
「HOPEシリーズの対象物件が競売や差し押さえになっていたり、本来は出資者の共有財産であるはずの物件の所有者が登記上、GFS所有になっていたりしたことも判明。」
営業者である合同会社の名義であればわかるのですが、運用会社の名義になっているのはたしかに不自然です。屁理屈をつければ登記移転費用の節約のためなのかもしれませんが・・・。分別保管を守るといった発想はなさそうです。
グローバル・ファイナンシャル・サポートのサイト
「HOPEシリーズ」各匿名組合員の地位の譲渡停止に関するお知らせ
営業者として、有限会社日本レジャーホテルファンド7号、合同会社ホープアルファエイト、合同会社ホープアルファナイン、合同会社ホープアルファテン、合同会社ホープラストといった会社が並んでいます。(「ホープラスト」(最後の希望?)という社名は意味深長です。)
匿名組合を使ったこうしたファンドは集団投資スキームとして金融商品取引法の対象になっているはずですが、金融庁の監視の網から漏れてしまったのでしょうか。
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