三菱UFJ国際投信が設定した投資信託で「想定外」の損失が発生し顧客が怒っているという記事。
「グローバルに事業を展開する金融機関が発行する優先出資証券や永久劣後債などのハイブリッド証券を主対象に投資する」投信だったそうです。
「マーケットでちょっとした“事件”が発生する。英スタンダードチャータード銀行(SCB)が、今年一月に予定されていた〇六年発行の米ドル建て永久劣後債(七・五億ドル)の第一回期限前償還を見送り、十年先の二七年一月まで先延ばしすると発表したのだ。
「永久」とはいっても、一定期間内に償還されないと投資家にとってはきわめて妙味が薄くなる。そこで債券市場ではあらかじめ任意の償還日を決め、最初の任意償還日に償還して、その償還分を新たに発行し直すことが慣行となっている。いわば「暗黙のルール」(機関投資家筋)だ。それが公然と反故にされただけに市場は騒然。この劣後債の価格は一気に一四%強も下落し、仏クレディ・アグリコルや英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループなどが発行した類似の債券にも連想売りが広がった。これに慌てたのがBTMUだ。運用期間(三年半)中に期限前償還されることを前提に、売り出した一連の投信十一本にこのSCB債をそれぞれ三・〇〜八・七%の比率で組み入れていたのだからたまらない。SCB債の下落につられる形で当然のことながらこれら投信の基準価格も急落。担当セクションや全国の支店にはいきなり含み損を抱えるハメになった顧客からの苦情や問い合わせなどが殺到し、現場は一時、「パニック状態」(前出のMUFG関係者)に陥ったという。」
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金融庁が「顧客本位の業務運営に関する原則(案)」というのを出しましたが、それに照らすと、こういう投信を一般消費者に販売するというのはどうなのでしょう。
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金融機関だけでなく、事業会社であるソフトバンクも同じような債券を一般向けに発行しています。こちらは25年縛りになる場合がありえます。
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