消費税の軽減税率に関する自民・公明両党の争点(特に軽減税率の問題点)をまとめた記事。
まず、軽減税率の適用対象品目の線引き。財源問題がからんできます。
「...軽減税率導入に伴う減収分は、何らかの代替財源で手当てするか、もしくは社会保障に回す予算を削るかしかない。
生鮮食品のみを対象とする自民案では約3400億円、一部の加工食品も含む公明案では約8200億円の減収となるが、現時点で手当てできている財源は約4000億円しかない。これは、低所得者向けの医療や介護などの自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」の導入を見送ることで捻出されたものだ。
「ない袖は振れぬ」という自民に対し、「生鮮食品だけでは足りない。軽減税率の意味がない」と公明は反発している。公明がここまで軽減税率に固執するのは、「安保法制で自民に譲歩し続けたことで、支持母体の創価学会婦人部から突き上げられている。軽減税率でまたぞろ譲歩することはできない」(後藤氏)からだ。」
軽減税率の矛盾点
「第一に、軽減税率は食品支出の多い高所得者にも多くの恩恵が及ぶため、逆進性(所得の低い人ほど税負担が重くなること)を緩和する対策としては不十分なこと。第二に、軽減税率の財源を確保するため、低所得者対策である総合合算制度が取りやめとなること。「これは低所得者から高所得者への所得移転を招く“政策の逆流”だ」と森信茂樹・中央大学法科大学院教授は怒りをあらわにする。
軽減税率に伴う事務処理を軽減するための「みなし課税」も問題が多い。品目ごとに税率を区分して納税額を算出するのではなく、売上高に占める軽減品の割合をあらかじめ設定して納税額を計算すればいいため、事務作業は簡単になる。軽減品の割合は、一定期間の品目別の売上高から決めるとされているが、たまたまその期間の軽減品の売上比率が高かった場合、納税額は実際よりも低くなり、本来納めるべき税金が事業者の懐に入る「益税」となりかねない。」
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(ダイヤモンドオンラインより)
軽減税率・自民と公明「大モメ」の全真相!
~自民党に激怒した山口代表と、ホンネがちらつく安倍首相(現代ビジネス)
「肝心の安倍首相は、この「軽減税率」に対してはどんな姿勢で臨んできたのか。実は関係者などの証言から、首相は早い段階から「軽減税率の導入」と「公明党に譲る」という政治決断をしていたようだ。」
「今回の「軽減税率」をめぐる自公の混乱は、公明党の「選挙協力をちらつかせてまで譲れない事情」があり、首相も「安保法制での借り」を返し、「来年の参院選を見据えて、戦略上公明党に花を持たせるのがベスト」と判断している構図と言えそうだ。」