日産 ケリー元代表取締役の裁判 2審始まる 弁護側は無罪主張
日産ゴーン事件のうち役員報酬に関する有報虚偽記載について、ゴーン氏と共謀していたとされる日産元代表取締役ケリー氏に対する控訴審が、始まったという記事。
「日産の元代表取締役、グレッグ・ケリー被告(67)は、中東のレバノンに逃亡した元会長、カルロス・ゴーン被告(69)と共謀して2017年度までの8年間、有価証券報告書に元会長の報酬を少なく記載したとして金融商品取引法違反の罪に問われましたが、1審の東京地方裁判所はこのうち7年度分を無罪とし、最後の2017年度に限って元会長との共謀が成立するとして懲役6か月、執行猶予3年を言い渡し、検察側と弁護側の双方が控訴しました。」
検察は、無罪となった7年分も共謀があったと主張しています。
弁護側は....
「一方弁護側は「未払いの報酬は存在せず、この報酬額が書かれた書面を見たこともない。共謀を認定した1審判決は誤りで、全面的な無罪判決を出すよう求める」と述べました。」
ケリー氏側は、1審が共謀を認めた点だけを否定しているわけではなく、未払報酬確定の方も否定しています。
【 画像2/3枚 】日産ゴーン元会長の報酬隠し、元役員が全面無罪を主張 控訴審始まる(朝日)(説明図のみ)
日産元役員、再び無罪主張 ゴーン元会長報酬隠し 共謀を否定、二審初公判(日経)(記事冒頭のみ)
日経も見出しでは「共謀」について強調していますが、記事本文では2つの論点があることを述べています。
「控訴審では①未払い報酬の有無②共謀の成否ーが主な争点となる。」
それにしても、未払いだったとされるゴーン氏の役員報酬(起訴の対象となった分だけでもは91億円)について、日産はどういう会計処理をしたのでしょう。有報の役員報酬の開示に関する部分は、訂正報告書で訂正していますが、財務諸表の過年度訂正はなかったようです。それなら、特別損失で一気に計上したのかといえば、それもはっきりしません。もし、いまだに会計処理していないのだとすると、役員報酬開示と会計処理が乖離している(一致するのが普通)ということになります。これだけの大事件なのですから、本来、会計処理上の扱いをどうしたのかまで、日産は明確に開示すべきでしょう。また、新聞記者は、なぜその点を会社に聞かないのでしょう。
日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告の報酬過少記載事件で、金融商品取引法違反罪に問われ、一審で一部有罪となった元代表取締役、グレッグ・ケリー被告の控訴審初公判が東京高裁(大野勝則裁判長)でありました。弁護側は改めて無罪を主張しました。https://t.co/yAc6lWeVYu
— 日経 社会ニュース (@nikkeishakai) October 19, 2023