やさしいにほんご

やさしいにほんごってなんだろう?だれにでもやさしいにほんごではなしたい。

空中ブランコ

2024-08-05 22:04:10 | ほんのむし

ストレスがたまると伊良部医院の神経科医師伊良部一郎先生にあいたくなる。薬を処方するわけでもなく率先して自分から反社会的なことをやってのけ、この人には普通という言葉も常識という概念もない。だから一緒にいると、自分の抱えている問題が世間でいう普通とか常識にいかにとらわれていたか気づかされる。だから名医なのか?それとも迷医なのか?ただしGOOGLで検索をかけてもこの医院の住所はでてこない。奥田英朗の小説「空中ブランコ」や「インザプール」の小説の中だけにしか存在しない。伊良部先生が登場する小説のなかでは「空中ブランコ」がお気に入りだ。他の作品も伊良部先生は期待通り常識破りの言動で迷える子羊をトンネルの出口にいざなってくれるのだが、作品の構想のたくみさはやはり「空中ブランコ」が私の中では一番だ。奥田英朗という名前にひかれて何冊も読んだが、そのたびに何となく期待を裏切られたような気分になる。伊良部医師のキャラがあまりに強烈すぎて他の作品を受け付けられない体質になってしまったようだ。



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