なんとか無事に降りることができたが、寝不足と疲労で頭が痛い。山小屋はすぐ近くのはず・・・
だったのに、たどり着けない。なんど地図をみてもダメ。同じ道を行ったり来たり。
一時間以上迷ってなんとか鳳凰小屋に到着。もう泣きそう。
優雅な時間を楽しもうと思っていたけど・・・
頭痛がひどくなってきた。アルコールが美味しく感じない。
座ってられず布団へ。寒い・・・他のお客さんはTシャツなのに
あるもの全部着てもダメ、毛布も掛けてるのに。
楽しみにしていた食事の時間、美味しいカレーを必死で食べる。こんなにつらい食事は初めて。
どうやら高山病にかかったらしい。小屋のお兄さんがコタツをすすめてくれた。しばらくコタツで横になっていると、
あら?、不思議。頭が軽くなった。どうやら高山病は2000mを越えるとなる可能性があるらしく、暖まるといいらしい。
コタツでは名古屋からきた自分の親くらいのおじさんおばさんも一緒になり、いろいろな話を聞かせてくれた。
たまには1人じゃない山の時間もいいものだ。
小屋の中とお兄さん
ほんと、お世話になりました。
さっきの人の話だと、一番上に行くにはロープを登らないと・・・
こんなに細いロープ?
写真だと分かりにくいけど多分4mくらいの高さです。
「うそデショ?マジで?」自分が知っているほとんどの否定的な言葉が頭をよぎりました。しかし最後に「男だろ?」と言う声が聞えた。
はっきり言ってこの瞬間は頭がどうかしてました。
怖い感情をごまかしアタック!しかいごまかしきれない。
本当に怖い!ロープ細すぎ!岩にしがみつきながらなんとかピークへ!
これはちなみに一番上の岩。まわりはガスで真っ白、良いのか悪いのか。
達成感よりただただ怖いだけ、だれもいないし。降りるのはさらに怖かった。
足が震えたのは何年ぶりだろう。ここで落ちたら保険金いくらかな?
副社長と娘達の顔が頭をよぎる。