ヨナ書1章
ヨナの逃亡
(ヨナ1:1-3 口語訳)
「主の言葉が
アミッタイの子ヨナに
臨んで言った,
『立って,
あの大きな町ニネベに行き,
これに向かって呼ばわれ。
彼らの悪がわたしの前に
上ってきたからである』。
しかしヨナは主の前を離れて
タルシシへのがれようと,
立ってヨッパに下って行った。
ところがちょうど,
タルシシへ行く船があったので,
船賃を払い,
主の前を離れて,
人々と共にタルシシへ
行こうと船に乗った。」
神は,ヨナにアッシリヤの首都ニネベ
での宣教を命じました。
しかしヨナは,
命令に従いませんでした。
アッシリヤは,
イスラエルを滅ぼそうとしていた
敵国であったからです。
○
ヨナ,海に投げ込まれる
(ヨナ1:11,12)
「人々は彼に言った,
『われわれのために
海が静まるには,
あなたをどうしたらよかろうか』。
それは海がますます
荒れてきたからである。
ヨナは彼らに言った,
『わたしを取って
海に投げ入れなさい。
そうしたら海は,
あなたがたのために
静まるでしょう。
わたしにはよくわかっています。
この激しい暴風が
あなたがたに臨んだのは,
わたしのせいです。』」
●●
(ヨナ1:17口語訳)
「主は大いなる魚を備えて,
ヨナをのませられた。
ヨナは三日三夜
その魚の腹の中にいた。」
○
ヨナ書2章
(ヨナ2:1-4口語訳)
「ヨナは魚の腹の中からその神,
主に祈って,言った,
『わたしは悩みのうちから
主に呼ばわると,
主はわたしに答えられた。
わたしが陰府の腹の中から叫ぶと,
あなたはわたしの声を聞かれた。
あなたはわたしを淵の中,
海のまん中に投げ入れられた。
大水はわたしをめぐり,
あなたの波と大波は皆,
わたしの上を越えて行った。
わたしは言った,
『わたしはあなたの前から
追われてしまった,
どうして再びあなたの聖なる
宮を望みえようか。』」
ヨナが
魚の中に飲み込まれます。
そこでヨナが祈りますと,
助け出されます。
(ヨナ2:10口語)
「主は魚にお命じになったので,
魚はヨナを陸に吐き出した。」
○
ヨナ書3章
ニネベの悔い改め
(ヨナ3:1,2口語訳)
「時に主の言葉は
再びヨナに臨んで言った,
『立って,
あの大きな町ニネベに行き,
あなたに命じる言葉を
これに伝えよ』。」
ヨナに再び,
ニネベに行くように神は命じます。
ヨナは,今度は従います。
すると,
ニネベの人々は悔い改めました。
そして,
神はニネベを
滅ぼさなかったのです。
○
(ヨナ3:10口語訳)
「神は彼らのなすところ,
その悪い道を離れたのを見られ,
彼らの上に下そうと言われた災を
思いかえして,
これをおやめになった。」
○
ヨナ書4章
ヨナの不快
(ヨナ4:1-3 口語訳)
「ところが
ヨナはこれを非常に不快として,
激しく怒り,
主に祈って言った,
『主よ,
わたしがなお国におりました時,
この事を申したではありませんか。
それでこそわたしは,
急いでタルシシに
のがれようとしたのです。
なぜなら,
わたしはあなたが恵み深い神,
あわれみあり,
怒ることおそく,
いつくしみ豊かで,
災を思いかえされることを,
知っていたからです。
それで主よ,
どうぞ今
わたしの命を
とってください。
わたしにとっては,
生きるよりも死ぬ方が
ましだからです』」。
アッシリヤは敵国だというのに,
神が彼らを赦し,
恵みを施されたことに,
ヨナは不機嫌になりました。
神は,とうごまをとおして,
ヨナに神ご自身の真情を
お教えになります。
神がニネベを惜しむ
(ヨナ4:10,11口語訳)
「主は言われた,
『あなたは労せず,
育てず,一夜に生じて,
一夜に滅びたこのとうごまをさえ,
惜しんでいる。
ましてわたしは十二万あまりの,
右左をわきまえない人々と,
あまたの家畜とのいる
この大きな町ニネベを,
惜しまないでいられようか』」。
神の愛が一つの民族に限られず,
世界中の民へと広がっていることを
教えています。