哀歌 解説
(口語訳聖書 引用)
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哀歌1章 涙の祈り
(哀歌1:1,2 口語訳)
「ああ,むかしは,
民の満ちみちていたこの都,
国々の民のうちで
大いなる者であったこの町,
今は寂しいさまで座し,
やもめのようになった。
もろもろの町のうちで
女王であった者,
今は奴隷となった。
これは夜もすがら
いたく泣き悲しみ,
そのほおには涙が流れている。
そのすべての愛する者のうちには,
これを慰める者はひとりもなく,
そのすべての友は
これにそむいて,
その敵となった。」
哀歌は,
紀元前586年に起きた
バビロンによる
エルサレムの陥落と捕囚を
嘆きます。
エルサレムは今や,
敵国に侵略され,
侮辱されています。
この悲惨な出来事が,
神の民が主なる神から
離れてしまった
罪の結果であると見て,嘆きます。
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哀歌2章 立ち直るために
(哀歌2:14)
「あなたの預言者たちは
あなたのために,
人を欺く偽りの幻を見た。
彼らはあなたの不義をあらわして,
捕われを免れさせようとはせず,
あなたのために
人を迷わす偽りの託宣を見た。」
預言者たちは
罪を指摘しませんでした。
そのため,
バビロンの捕囚となります。
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哀歌3章 朝ごとの恵み
(哀歌3:22-24口語訳)
「主のいつくしみは
絶えることがなく,
そのあわれみは尽きることがない。
これは朝ごとに新しく,
あなたの真実は大きい。
わが魂は言う,
『主はわたしの受くべき分である,
それゆえ,
わたしは彼を待ち望む』と。」
神は,いつくしみ,真実,
希望,救いの神です。
神は,
苦悩の中にいる人を見捨てません。
この苦悩の中にある人にも,
神の憐みは尽きません。
「朝静かに」
(新聖歌334)
「朝静かに
この一日の御恵みを祈りおれば
わが心にあふれくる
主イエスのやすらぎ」
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哀歌4章 激しい怒り
(哀歌4:11,12)
口語訳
「主はその憤りを
ことごとく漏らし,
激しい怒りをそそぎ,
シオンに火を燃やして,
その礎までも焼き払われた。
地の王たちも,世の民らもみな,
エルサレムの門に,
あだや敵が,
討ち入ろうとは信じなかった。」
神の裁きはエルサレムに及びます。
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哀歌5章 帰らせてください
(哀歌5:21,22 口語訳)
「主よ,
あなたに帰らせてください,
われわれは帰ります。
われわれの日を新たにして,
いにしえの日のように
してください。
あなたは全く
われわれを捨てられたのですか,
はなはだしく
怒っていられるのですか。」
哀歌の終わりの言葉は,
祈りになっています。
2018.5.11