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トム・ベイトマン米国務省担当編集委員
アメリカのドナルド・トランプ大統領が先月25日に、パレスチナ・ガザ地区を「解体現場」と表現し、「おそらく150万人ほどの人がいる。私たちはすべて一掃する」と語り始めた時は、これがどれほど場当たり的な発言なのかは明らかではなかった。
しかし、どうやらトランプ氏は、ガザをめぐる自身の提案についてかなり真剣なようだ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が訪米するまでの動きや、4日のネタニヤフ氏との会談を前に大統領執務室で話した内容、そしてネタニヤフ氏との共同記者会見での発言を見るかぎり、トランプ氏が本気なのは明らかだ。
この提案は、イスラエルとパレスチナに対するアメリカのこれまでの立場を、近年の紛争の歴史上で最も急進的に覆すに等しい。そして、国際法に反するとみなされるのは避けられないだろう。
トランプ氏の発表が、現地の一般住民にどのように受け止められるのかという問題がある。それに、重大な局面を迎えている、現在進行中の停戦と人質解放のためのプロセスにも、多大な影響を与える可能性もある。
トランプ氏と政権の担当者らは、すべてのパレスチナ人をガザから永久的に「再定住」させるという同氏の呼びかけを、人道的措置という枠にはめこもうとしている。ガザを「解体現場」だとし、だからパレスチナ人にほかの選択肢はないとしている。
国際法では、住民を強制的に移住させようとする試みは固く禁じられている。パレスチナ人はもちろん、アラブ諸国も、これはパレスチナ人を自らの土地から追放し、民族浄化することを目的とした明確な提案にほかならないと捉えるだろう。
だからこそ、アラブ諸国の指導者たちは、トランプ氏の提案を断固拒否しているのだ。トランプ氏はこの10日間、ガザのパレスチナ人をエジプトとヨルダンが「受け入れる」というアイデアについて頻繁に言及していた。
エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、パレスチナ自治政府、そしてアラブ連盟は1日に声明で、アメリカの動きは「地域の安定を脅かし、紛争を拡大させる危険性があり、民族間の平和と共存の展望を損なう」可能性があると述べた。
イスラエルの占領地からパレスチナ人を追放し、代わりにユダヤ人入植地を拡大することは、イスラエルの超国粋主義的な極右勢力が長年、強く願ってきたことだ。
2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃して以降、イスラエルの極右勢力はハマスとの戦争を期限を定めずに継続することを要求し、最終的には、ガザにイスラエルの入植地を再び建設することを誓っている。極右勢力の指導者たちは、ネタニヤフ首相率いる連立政権の一員でもある。
これらの勢力は、要求を取り下げることはなく、現在発効されているガザ停戦と人質解放をめぐる合意にも反対してきた。
イスラエル首相との会談で何と
トランプ氏はこのところ、ガザのパレスチナ人をエジプトやヨルダンに「移住」させるという訴えを強めていた。その後にアメリカがガザを引き取り、再建するとしていた。そして4日には、さらに踏み込んだ発言をした。
ホワイトハウスでネタニヤフ首相と会談した後に開かれた記者会見で、パレスチナ人のガザ帰還は認められるのかと問われると、トランプ氏は「世界の人々」がガザに住むことになる、「国際的で、信じられないような場所」になると自説を展開。あとから、「パレスチナ人も」含まれると付け加えた。
トランプ政権の中東特使、スティーヴ・ウィトコフ氏はこれに先立ってこの日、トランプ氏を「不動産に詳しい男だ」と述べ、同氏の提案がどういう性質のものか簡潔に言い表した。
トランプ氏は、ガザが「中東のリヴィエラ」になると述べた。リヴィエラは、リゾート地として有名なフランスからイタリアにまたがる地中海沿岸地域の呼称だ。
アメリカがガザを「引き取る」との発言については、記者団から、アメリカ軍がこれに関わるのかとの質問が出た。「我々は必要なことをしていく」とトランプ氏は答えた。
トランプ氏の提案は、1948年のイスラエル建国、そして1967年の第3次中東戦争から続く、パレスチナをめぐるアメリカの立場を最も急進的に覆すに等しいものだ。パレスチナのガザとヨルダン川西岸は、第3次中東戦争を経てイスラエルが軍事占領している。
ガザは、イスラエル建国をめぐる戦争で故郷を追われるなどしたパレスチナ人が定住した場所だった。
それらの人々とその子孫は、今日に至るまで、ガザ人口の大多数を占めている。
トランプ氏の提案が実現すれば、現在ガザで暮らす200万人以上が、アラブ諸国のほかの場所、あるいはそれ以外の場所に「永久的に再定住」することを余儀なくされる可能性がある。
さらに、従来の意味での「2国家解決」の可能性を消し去ることになりうる。パレスチナ人やアラブ諸国は、追放計画だとして、かたくなに拒否するだろう。
ネタニヤフ氏の政治基盤を形成し、超国粋主義的な入植運動に関わるイスラエルの人々の大半は、トランプ氏の発言を支持している。「ガザが今後、イスラエルにとって脅威にならないよう」にするというネタニヤフ氏の目標を実現するための手段が、現実味を帯びてきたとみている。
一方で、パレスチナの一般住民にとっては、集団的懲罰行為に等しいものといえる。
以上、BBCニュース
パレスチナ地区の住民は長い間、ハマス、イスラエルの犠牲になって放置されている状態であり、対策が必要です。
トランプは戦争は嫌いであり、紛争地域をなくすためにトランプ流の解決を目指しています。
批判するのは簡単。
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