タンパク質の摂取にまつわる誤解

2014年04月21日 | めし
【今朝の体組成】
体脂肪量  :
6.5kg
除脂肪体重:57.4kg
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体重    :
63.9kg
体脂肪率 :10.2%

久し振りの"Competitor Running"誌からの記事の転載です。

私見ですが、現代日本人の食生活で主食である米/小麦粉にもタンパク質は含まれている(精白米:6.1g/100g、小麦粉:パンetcの原料である強力粉で11.7g/100g)ので、主たるエネルギー源としてそれらをしっかり食べていれば、後は納豆等の大豆食品を摂れば充分だと思います。
逆に、タンパク質の過剰摂取は、その代謝過程で産生されるアンモニアの処理が必要となり、腎臓に過剰な負担がかかる事にもなります。
そういった点で、誤解(4)は重要かもしれません。
やはり、何事も「程々」が良いと思います。
(最終的には栄養分析をしないと何とも言えませんが…)。


ご参考になれば幸いです。

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タンパク質にまつわる誤解の打破
by Mathew Kadey


 栄養成分としてのタンパク質は、トレーニングと同じくらい重要である。タンパク質は人体における様々な代謝に関与する。具体的には、
・筋肉/骨/関節/髪/皮膚の生合成/維持
・酵素/内分泌物質(ホルモン)の生成
である。また、タンパク質を摂取すると食欲が抑制されるので、夜間につい冷蔵庫を開けてしまう、なんてことも防止出来る。勿論、タンパク質は炭水化物/脂質と同様に、エネルギー源として利用され得るものでもある。

 ランナーにとって主たるエネルギー源は炭水化物であるが、そればっかり注目していると、肉体はその能力を充分に発揮出来なくなる。だが、未だにタンパク質に対する理解が進んでいるとは言い難い。なので、本稿ではタンパク質にまつわる誤解を解く。

誤解(1):ランナーはタンパク質を取る必要が無い


・長距離ランで破壊された筋肉を修復する
・筋力を向上させる
・摂る必要があるエネルギーを摂取する
・ラントレーニング中に参加したタンパク質を補う
等の為には、ランナーは一般人より多量のタンパク質を摂取する必要がある。継続的にラントレーニングをしているランナーは1.2~1.4g/kg-体重/日のタンパク質を摂取すべきである。

 勿論、練習強度/頻度/走行距離が増えれば、必要となるタンパク質摂取量は上記の上限(=1.4g/kg-体重/日)に近づく。ここでタンパク質摂取量が少なくなると、人体は筋肉を破壊して必要量を補うので、結果として身体能力の向上が損なわれる。ただ、上記の所要量を通常の食事で満たすことは十分可能である。

誤解(2):タンパク質は消費されたグリコーゲンの補充には関係無い


 トレーニング後にタンパク質を摂取するのは、(骨+筋肉)を再生する為だけでない。ある研究では、トレーニング後速やかに(炭水化物+タンパク質)を摂取することにより、炭水化物のみを摂取した場合に比べ、筋グリコーゲン量が増大することが明らかにされている。
 
 この理由としては、タンパク質を摂取することで血中インスリン濃度が著しく増大し、筋肉細胞により多くの糖が供給され、それらが筋グリコーゲンとして貯蔵されるという仮説が提唱されている。ランニングにおいて筋グリコーゲンは、高強度の運動時に主たるエネルギー源として利用される点で重要である。複数の研究から、トレーニング後に摂取する(炭水化物+タンパク質)の割合は炭水化物:タンパク質=4:1が最適であると考えられている。

誤解(3):動物由来のタンパク質のみが優れている

 
 タンパク質はアミノ酸が複数つながって構成される。アミノ酸の内、11種類(チロシン/シスチン/アスパラギン酸/アスパラギン/セリン/グルタミン酸/グルタミン/プロリン/グリシン/アラニン/アルギニン)は人体内で合成可能(なのでこれらは「非必須アミノ酸」と称される)であるが、9種類(イソロイシン/ロイシン/リジン/メチオニン/フェニルアラニン/スレオニン/トリプトファン/バリン/ヒスチジン)は人体内で合成不可能(なのでこれらは「必須アミノ酸」と称される)であり、何らかの形で摂取する必要がある。必須アミノ酸を全て含んでいるタンパク質こそが「完全な」タンパク質であり、トレーニング等で損傷した筋肉細胞の修復/補強に役立つ。

 肉好きな人は、動物由来のタンパク質=牛肉/豚肉/鶏肉/鶏卵/乳類のみが「完全な」タンパク質であり、筋肉にとって必要であると吹聴する。しかし、大豆/キノア/麻/スピルリナ/チーア(Chia、ミント科の植物、学名Salvia hispanica)/アマランサス等といった植物性食品も必須アミノ酸を全て含んでいるので、トレーニング後に摂取する価値はある。

 また、玄米/豆類/ナッツ類等は必須アミノ酸を全て含んでいるのではないが、それらを他の食品と組み合わせると必要なアミノ酸がもれなく摂取出来る。なので、菜食主義者でも、多様な食品を摂取していれば、必要なタンパク質(アミノ酸)はきちんと摂取出来ている筈である。

誤解(4):タンパク質は摂れば摂るほど良い

 米国栄養士会雑誌(Journal of the American Dietetic Association)に発表された研究結果によると、30g/食を超えて摂取したタンパク質は、筋肉の形成に利用されないとのことである。30g/食を超えるタンパク質は酸化されるか、脂肪に変換されて蓄積されるか、とのことである。

 つまり、30g/食を超えて摂取したタンパク質は、贅肉として腹の周りにくっつくだけである。ということで結論としては、タンパク質は一日を通じて少量を多頻回摂取するのが適切である。因みに、2009年に米国臨床栄養学雑誌(American Journal of Clinical Nutrition)に発表された研究結果によると、トレーニング後にタンパク質を20g摂取することで、筋肉の再生/生合成が促進されるとのことである。 

誤解(5):アスリートにとって、粉末プロテインは必須アイテムである

 確かに、粉末プロテインには幾つかの利点がある。ホエイプロテインは消化/吸収が速く、タンパク質源としては良質である。しかし工夫すれば、一般的な食品のみから必要なタンパク質を摂取するのは充分可能である。

 
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