トレイルランニングへの移行準備

2014年04月21日 | Competitor Running
…という"Competitor Running"誌の記事です。

「裸足で筋力トレーニングをすることで、足関節の安定性が向上する」という点には注目しています。

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トレイルランニングへの移行準備
by Jeremey DuVall


 気温が上がるに連れ、特に夏場は舗装路から不整地(以下トレイル)へとランニングコースを変えようと考えるランナーは多い。トレイルランニングは、身体に加わる衝撃は少ないし、コースは多様だし、風景は素晴らしいという点で関心が高まっている。舗装路でのラントレーニング→トレイルランニングへきちんと移行出来れば、トレーニングのバリエーションは増えるし、やる気も再生することであろう。しかし準備不足だと、怪我で残りのシーズンを棒に振るだけ、となりかねない。

 舗装路→トレイルへとランコースを変更するのは、肉体にとっては試練となり得る。トレイルでは、どの一歩も同じとはならない。捻って、切り返して、コーナーを曲がって、岩/木の根っ子を飛び越えねばならない。それらにきちんと対応出来るようになり、トレイルランニングで怪我をしないようにする為には、以下のトレーニングでバランス能力/筋力を向上させる必要がある。

(1)ジャンプ系の種目に取り組む

 比較的平坦な舗装路でのランとは異なり、トレイルでは路面状態がしょっちゅう変化する。それはそれで単調さとは無縁であるが、肉体にとっては大きな試練ともなる。特に下り坂でのランは、身体に大きな負担がかかるという点でハードである。トレイルランニングに対応出来る身体を作るには、爆発的なパワー発揮("Plyometrics")を目的とした種目に定期的に取り組むのが望ましい。

 まずは、ボックスジャンプから始めよう。2~3回/週(連日は行わない)で充分である。爆発的に筋力を発揮し、一回で箱(高さは10~60cm)に跳び乗る事に集中する。基本的なボックスジャンプに習熟したら、次はデプス・ジャンプ("depth jumps"、箱から跳び下りる)に取り組もう。デプス・ジャンプでは、ボックスジャンプに比べ身体に加わる衝撃が増大するので、トレイルランニングでの下り坂対応として適している。

 デプス・ジャンプでは、最初に箱の上に立つ(膝関節は伸ばしたまま)。そこから飛び降り、両脚同時に着地する。着地の際は膝関節を軽く屈曲し、出来る限り衝撃を和らげることに留意する。3~5回/セットとし、適宜休息しながら反復する。適当な箱が無い場合は、縄跳びやスキップ等でも同様の効果が期待出来る。それらを行う場合でも、着地時の衝撃を少なくすることに留意したい。

(2)足関節の安定性を向上させる

  トレイルランニングでは、路面状態が不整なので、足関節を捻挫する危険性が増大する。なので、トレイルランニングを行う前には、足関節の安定性を向上させるトレーニング種目に取り組むのが望ましい。

 バランス能力/足関節の安定性を向上させるには、緩斜面/バランスディスク等を用いるのも良い。しかしまずは、裸足でトレーニングするのが一番有効である。まずは、自体重のみを負荷とし、裸足でスクワット/ランジ/腕立て伏せなどをすることから始めよう。それらに慣れたら、次は片足スクワットや裸足での(1)に挑戦しよう。

 バランスディスクetc.の道具が好きな人は、それらを用いるのも良い。ただ、それらを用いる際は、負荷は自体重のみとし、筋力トレーニングの最後に実施するのが良い。バランスディスクetc.を用いると足元が不安定になり、発揮出来る筋力が低下することから、バーベルetc.の負荷を追加するのは好ましくない。第一、それらはバランス能力を向上させるという目的に合致しない。

(3)時間をかけて徐々に移行する

  春シーズンに於いて走り込んだ距離が長いからといって、すんなりトレイルランニングに移行出来るかどうかは別である。既述の通り、トレイルと舗装路は全く別物だからである。なので、いきなり舗装路→トレイルへとコースを変更するのでなく、徐々に移行するようにしたい。

 最初は、舗装路でのラントレーニングの最後に不整地(芝生の上など)を走るところから始める。その際には、不整地に足を馴らすと共に、フォーム等にも注意しよう。次は、イージーランをトレイルで行うようにする。その際は、スピード/距離でトレーニング内容を考えないようにする。トレーニング内容は時間で規定すること。スピード/距離については、足がトレイルに馴れるに連れ、自然と増えるに任せれば良い。

 トレイルで5~6km程度を気持ち良く走られるようになれば、本格的にトレイルランニングに移行しても大丈夫である。
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